横浜はG30…。確かに横浜市の清掃工場で焼却されるごみは、約30%削減された。でも、課題もあります。●G30が始まって3ヶ月目で製紙メーカーからクレームを受けた
●リサイクルルートにのらない物が雑がみの1割弱あり清掃工場で焼却している
●横浜回収分を中国に送ったところ「アイスクリーム、ヨーグルト、納豆の容器など家庭ごみが混入している」として、返品された。
●G30実施以降、産廃業者が古紙を扱いはじめており、選別眼が無いので、横浜の古紙の質が下がったと判断される。
これは、私たちが、地域で永年、資源集団回収をなさっている古紙事業者の方に伺った話です。
横浜市の古紙回収ルールは、これまでの古紙再生のための回収ルールとは異なり、「その他の紙」として古紙の再生に適さない感熱紙、コーティングした紙容器なども回収しています。そのため古紙回収業者や問屋、製紙メーカーから横浜市へのクレームや要望が続出しているのです。
横浜市は、「リサイクルルートを持っている事業者が、高値で入札しているのだから、そこにやってもらえばいい」というスタンスで、特定の事業者が、横浜市の古紙を買い取っています。買い取られた古紙は、北京オリンピックを前に古紙の需要が高まっている中国を中心に東南アジア諸国に輸出され、現地で分別が行われています。格安の人件費に支えられて。しかし、経済格差の上に成り立つリサイクルも、需要の低下、あるいは、経済格差が縮まってゆけば、立ち行かなくなります。
ごみの中で、紙ごみが占める割合は、家庭ゴミが35、75%、事業系ごみが43、76%(2004年度実績)で、紙ゴミを資源化ルートに分けるだけで、G30の目標は達成されるはずでした。目標達成を急ぐあまり、「その他の紙」の資源化ルートが確立しないままに「G30」をスタートしてしまったのではないでしょうか。
資源集団回収やファイバーリサイクルなどを通じ、地域の静脈産業を支えてきた方たちにとって、現在の資源化への方策は、決してプラスの側面ばかりではありません。G30をきっかけに、県外からも事業者が参入しています。これを全て、否定をするわけではありませんが、市民・事業者が地域に暮らし循環型社会をともにつくるという視点こそが必要です。
横浜市の焼却ごみを30%削減することだけが目的化しないように、いつもいつも、私たちは、循環型社会の形成という視点を共有していかなければなりません。