使い捨てが前提のプラスティック

昭和電工・川崎工場を視察 その2

 国内のプラスティックごみ回収総量は、年間約1000万トンほどで、そのうち、58%が何らかの形でリサイクルされているそうです。
うち、成形して新しいプラスティックに生まれ変わるマテリアルリサイクルが16%、発電や熱利用を目的とする焼却によるサーマルリサイクルが39%。昭和電工のように化学製品原料に再利用するケミカルリサイクルは3%ほどしか行われていません。(昭和電工はそのうち1%)そして、その他のプラスティックは、焼却あるいは埋め立て処分されていることになります。 ケミカルリサイクルがゼロミッション型リサイクルといわれていても、シェア率わずか数パーセントのリサイクルの行く先は、必ずしも環境に優しい循環型社会へとはつながりません。
例えば、昭和電工で行われているケミカルリサイクルの副産物「塩」から苛性ソーダがつくられていますが、その際に塩素が副生されます。塩素は漂泊剤や塩化ビニールに姿を変え流通していくことも起こります。化学物質をできるだけ使わない生活とは相入れない流れです。
さらに、その先、別の製品に生まれ変わって再びごみとなって回収された後、焼却されたり埋め立てられたりサーマルという名のリサイクルをされる確率の方が高いのです。
バラ色のリサイクルには、なかなか出会えなません。大量生産・大量消費の生産構造の中で、使い捨てを前提に製造されているものを再生するということ自体、無理が有ります。