文化・芸術のチカラ

平和をつくるキーワード

 今日のレポートのテーマは、文化・芸術です。
皆さんは、文化・芸術アウトリーチ活動をご存知ですか?一言で言えば、文化・芸術の出張サービスで、日頃、芸術や文化に触れる機会の少ない市民に対して、文化施設や芸術家サイドから働きかけを行う活動です。このアウトリーチをコーディネートするNPO法人SEED OF ARTSの齋藤実雪さん(横浜市在住)とお話する機会がありました。 この所、日本とアジアの国々との緊張関係が続いていますが、齋藤さんは、6月末に中国人のバイオリニストのアウトリーチを企画されています。その際、日本と中国の学校に呼びかけ、一堂に会して鑑賞することを提案されていますが、横浜にある、中華学校は中国系と台湾系がありその調整も難しいようです。
海外でも、ユダヤ人音楽家を中心に結成されたイスラエルフィルでは、ヒットラーを支持したワーグナーの曲は数年前までタブーとされてきたというように、クラシック音楽の世界にも、歴史問題が影を落としているようです。靖国神社参拝問題でその姿勢が問われている小泉首相が、ドイツ訪問の際に鑑賞したオペラはワーグナーだったとか。
音楽によって共有できるのは、一瞬の感動ですが、深い感動ほど鮮明な記憶に変わります。色んな人々に思いを馳せながらアウトリーチの可能性を追いかける齋藤さんの活動に学ばせていただきたいと思います。
私は、あまりテレビを見ませんし映画もラブロマンス等は大の苦手で、「冬ソナ」の「ふ」の字も解らないのですが、「あんな人まで〜」といった知人・友人がトリコになってしまっているようです。このあたりは、商品化された文化かも知れませんが、文化・芸術の力、人々を取り込み一体感を生む力って凄いです。平和をつくるキーワードのひとつだと思います。