外国籍児童の学習権をテーマにNPO法人ムンド・デ・アレグリア学校の松本雅美代表のお話を伺いました。
ムンド・デ・アレグリア学校は、浜松市にある外国人学校で、2002年に無認可の学校としてスタートしました。中南米からの多くの日系人労働者の子どもたちのための学校です。 日本の小学校で学ぶ外国籍の子どもたちは、日本語のわからない親から学習のサポートが受けられない、習慣、文化の違いからいじめにあう子も多いなどドロップアウトにつながる多くのリスクを持っています。そして、学校に行かなかったり非行に走っても外国人の子供の教育を受ける権利というのは何も保障されていませんから、注意したり気にかけたりしなくてもいいということにもなってしまいます。
ムンド・デ・アレグリア学校は、子供たちが勉強する機会を失うことなく、アイデンティティーを持ちながら、日本社会で日本人と積極的に関わることができるようにと願う多くの方の寄付などにより、開設されましたが、現実は厳しいようです。当初100人ほどいた入学希望者も、学費負担が大きいため、実際は13人の入学にとどまりました。
例えば、市町村で使用しなくなった施設や空き教室を使いたいと申し出ても、公的なものを私的なものが使うことは出来ないと言われてしまうのだそうです。また、各種学校では税制優遇も受けられず、市からの助成金も年間100万円とまだまだ厳しい運営は続きます。今年は、地元産業界の協力を得て、学校を存続できる見込みとのことですが、学校法人を目指して、とにかくあと1年は頑張って活動を続けるとの事です。
横浜市における外国籍児童生徒数は、小学生が1500人、中学生が700人となっています。外国籍の子どもたちの学習支援という側面から見ると少なからず同様の課題があるはずです。地域社会が、外国籍の子どもたちやその家族をバックアップできるシステムが必要です。