アジア太平洋みどりの京都会議2005

北東アジアの平和にむけて

 12日、北東アジアの平和についてのワークショップに参加しました。 イ・キホさん(ザ・コリア・グリーンズ)は、安全と豊かさについて触れられ、「安全とは、予測可能な状態つまり未来が見通せる関係である。そのためには当然ながら、コミュニケーションを自由にして、透明な関係をつくることが重要。食料を求めて、人々が北朝鮮を離れて動く事で、「口コミ」で情報も動き、今や、コントロールできなくなり、すでに、様々な情報流出がおきている」ことが指摘されました。そして、北朝鮮で労働できる環境を用意することが必要で、現在、人道的支援よりもエネルギーの開発支援へシフトしていく動きも作られはじめているといったお話がありました。これは、豊かさの根本をどうつくるかという視点から、重要な動きだと思います。さらに、3つのキーワード「市民」「知識」「文化」が示されました。確かに、文化や芸術は人々を取り込む力がありますよね。冬ソナのように。
ピースボートの吉岡さんからは、アナン国連事務総長の呼びかけで始まった、紛争予防について地域市民NGOが主導で提言をまとめ、国連総会へ提出するというGPPAC(ジーパック)の運動が紹介されました。具体的には、アジアの人々の多大な犠牲の上に生まれた憲法9条をアジアの市民にとっての共通の財産にすることで、平和のメカニズムとしての存在意義を高めよう、あるいは、北東アジア諸国で、共通の歴史教科書を作ろうといった提案がありました。護憲よりも改憲よりも世界化がもっと新しいという切り口のようです。若い世代、次世代が共感できる運動にしていけるかどうか、とても難しい問題だと思います。
ディスカッションでは、平和のための経済のあり方として、平等な再分配を行って、経済格差を無くすこととともに、経済的利害の一致をはかるという考えも示されました。しかし、基本となるのは国益ではなく人益ということでなければなりません。
ナショナルアイデンティティを超えて、北東アジアの市民として自分がどんな顔で、アジアの人と向き合えるかを考えさせられました。