こんな居場所があったらいいな!

フォーラム報告その3

「子ども達のサインが見えますか?〜青少年保護育成条例をきっかけに話そう〜」と題してのフォーラムでは、カリヨン子どもセンター理事の前田信一さんからの問題提起を受け、身近なところで、子育ち・子育ての実践を行っているお二人のパネラーから、今の親と子の抱える現状とそれぞれの取り組みを伺いました。 厚木市で活動されている「なないろのたね」の谷岡美佐子さんからは、学童保育事業から出発して、生活じゅく、補習教室といった教室事業、さらには、子育てサロンや不登校の子どもや親の居場所づくりなど、ご自身の子育て経験も交えて報告されました。
子どもの居場所を考えた時、「主な学習・生活の場は学校で、地域に色んな生活体験をともに分つ人も場所も少なくなっている。課題をこなし習得することに追われ、常に評価される子どもたちは、学ぶことが楽しいと感じる機会や何のために学ぶのかを自分なりに考える余裕もないのでは?」というお話がありました。
子どもたちにとって、公的な施設は、その数や使用時間、立地場所に課題も多く、年齢と共に、気軽に出入りできるコンビニやゲームセンターで遊ぶ機会も増える傾向もあるそうです。
子どもたちが「自分の居場所」としてホッとできる場所、個性や友達どうしの関わりを大切に、地域の大人たちに見守られながら育っていく場所が必要性を感じ、なないろのたねを設立されたそうです。
続いて、霜山恵子さんからは、子どもミニデイサービスまーぶるの実践が報告されました。昔の大家族のような役割りをする預り方をめざして、理由を問わず、一時保育にも積極的に取り組んでいます。
軽度の発達障害のあるお子さんや、育児不安を訴えるお母さん、突然の病気や介護が発生したりと、この5年間まーぶるへのSOSは絶えることはありませんでした。
開設5年目をむかえ、親子の集いのひろば、学童保育と事業は広がっています。また、定年退職された男性のボランティ参加もあり、まーぶるを拠点に地域の人が「知り合い」「つながり」はじめています。
できることから始めることで、地域の人と人のネットワークをつくり、市民自身の力で解決できることがたくさんありますね。「市民事業はジグソーパズルのようなもの」という谷岡さんの言葉に納得でした。