常任委員会の視察で、12日、名古屋市を訪問し、ゴミ減量の取り組みについて環境局の職員の方からお話をうかがいました。
名古屋市は、99年に「ごみ非常事態宣言」を出して以来、市をあげてゴミの減量に取り組んできました。その結果、ごみ量は、102万から75万トンに、埋立量は28万トンから12万トンへ削減されました。
大きな効果をあげる一方で、市民の努力も大変なものだったそうで、分別スタート時は、3割のゴミに分別の改善を求める警告シールがはられ、後追いで、子どもや高齢者向けパンフも作成したそうです。資料として提示された報道記事には「ごみに振り回される生活」「論文書くひまもない!市外へ転出」といったタイトルが並び、市民の混乱ととまどいが見て取れました。 ここ3年は、ごみ量は横ばい、総排出量(資源化されたゴミも含む)は、増加傾向になってしまっているそうです。資源回収量は2倍に増加していますが、そのための財政負担や環境負荷、そして、同時に、大量リサイクルへの懸念も率直に表明されました。つきつめていけば、現在の容器包装リサイクル法の問題点に突き当たります。
ゴミも資源も「元から減らす」ことは、事業者の協力なくしては不可能です。生産・設計段階で分別・リサイクルへの配慮が必要です。市民にとって取り組みやすく、「使い捨て抑制の動機づけ」が生産・流通・消費の各段階で効果的に働く仕組みへの改善を、国等へ、強く働きかけていきたいとのことでした。
名古屋市はもうひと踏んばりするそうです。
市内で年間1万トンのレジ袋が使われており、これは、石油の使用量でいうと2万トン、26、000世帯の1年分の電力に相当するそうで、このレジ袋を減らしていきたいとの事。さらに、家庭ゴミの4割を占める生ごみの減量に向けても取り組むとのこと。
職員からは、ゴミの話に先だって、名古屋市民の気質について一言。関東、関西に挟まれて、閉鎖的な一面もあるけれど、堅実で、「もったいないの精神」を持っていて、「お嫁入り」に見られるように、使うときには使うという特徴もあるとのことでしたが、やるときはやるよというような感じでしょうか。
やりとりの中で、なかなか、率直で、オープンな印象を持ちました。