NETこどもの人権チームでは「神奈川県青少年保護育成条例」の見直し・強化の動きをめぐって、子どもにかかわるNPO・NGOへのヒアリングを実施しています。5月25日には、港北区小机にある「楠の木学園」訪ね,学園長の武藤啓司学園長にお話をうかがいました。楠の木学園は、LD、ADHDなどの障がいを持った子どもや、現存の教育機関では適切な対応が望めずに悩んでいる子どもたちの学びの場として1994年に開設されました。当初は、高校生を対象としていましたが、年々対象となる子どもたちの低年齢化が進み現在は、小学生も受け入れています。また、一方でひきこもりの問題も幅広い世代の課題で、特に30代以上の引きこもりが増加しています。一定の年齢に達している方たちは、家族の経済的支援を受けがたい状況が生じますが、就職活動も困難で、学園では、彼等の自立に向けて経済的支援も含めた仕組みづくりに取り組んでいます。地域の作業所やNPOとの交流の中から、子どもたちの働く場を拡げる活動にもチャレンジしているそうです。
青少年保護育成条例の見直し・強化については、何らかの状況でうまくいかなくなった親子関係も、その根っこを堀りおこし人間的なつながりをつくり出すべきで、責任論ではなく、地域社会の人間的な関係のつくり直しが必要である。大人も子どもも失敗してもやり直せる環境をつくりたい、検挙率が高くなったとしても、それはますます社会を荒廃させるだけであろうというお話でした。
見守り合い、助け合う地域社会をつくるために、多くの知恵とネットワークが必要とされています。こうした市民活動が制度化されるよう政策提案に取り組みます。