公立高等学校入学者選抜の「学力検査等での配慮について」ありんこの会の皆さんと

20160309_1136479日、通級指導教室に子どもを通わせる保護者の会「ありんこの会」と、県教育委員会、市教育委員会との意見交換会が行われ、私も参加させていただきました。まず、確認したかったのは、昨年の決算委員会でも取り上げた神奈川県公立高等学校入学者選抜の「学力検査等での配慮について」ついて。(障害などにより通常の受験が困難な生徒に対しては、学校からの『受検方法等申請書(第6号様式)』により対応が図られることになっています。)

県教委からは「27年度からは、HP上に公立高等学校入学者選抜の学力検査等での配慮について記載したため問い合せが増加している」と報告がありました。繰り返し入学者選抜の配慮等の情報提供を求めてきたありんこの会としても、HP上への記述は一歩前進と受け止めたいところですが、障がい等の理由による受検方法等申請書(第6号様式)による受験者数等は把握していないとされ、その場では突っ込んだ意見を交わすことができませんでした。
後日、確認したところ、2015年度の受検方法等申請書(第6号様式)での受験者数は126人でした。これは、前年度の103件(第6号様式)からは2割増加していますが、通級指導教室在籍児童・生徒数自体が年々増加しており、そのため6号申請の件数が増加したのかもしれません。今後も検証が必要です。
市教委によると、横浜市の特別支援教育総合センターには、4000件の相談が寄せられおり、そのう6〜7割の子どもが情緒通級への入級判定が出せる状況で「まずは在籍で頑張ってほしい」との本音も聞かれました。高等学校の通級指導の制度化以前に、小学校・中学校で通級在籍期間や指導回数・時間を減らす事で過大規模化に対応している現状も改善すべきだと思います。保護者からも、通級指導教室の増設や教員の増員とともに、個別の教育支援計画や指導計画の充実、医療機関との連携など、子ども一人ひとりに寄り添う支援を求める声が上がりました。
4月の、「障害者差別解消法」の施行まで1ヶ月を切りました。行政機関に対しては「社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければならない」とされており教育委員会にも前向きな取組みを期待したいところですが「合理的配慮」が広く理解されているとは言いがく、その概念も一般化されていない状況だと思います。神奈川県も、現在、職員対応要領の作成等、県の障害者差別解消法の取組みの基礎資料とするため、障害当事者及びそのご家族に対して、実際に体験した良い対応と感じた事例、悪い対応と感じた事例についての募集を継続しています。私たちも一人ひとりの事例や 、一つひとつの気づきから声をあげていきたいと思います。