「イライラしている」傍聴記〜横浜市介護予防・日常生活支援総合事業の展開に関する検討会〜
20日に開催された第1回横浜市介護予防・日常生活支援総合事業の展開に関する検討会を傍聴しました。座長に選出された山崎泰彦さんの「イライラしている」と言う、ドキッとするような挨拶で始まった検討会では、市の積極的な取組みを促す意見が多く聞かれました
横浜市は、2016年1月から介護予防・日常生活支援総合事業(以下「総合 事業」といいます。)を実施しますが、本格実施は2017年とされ、今後段階的に多様なサービスを導入していくとしています。現状は、高齢健康福祉部長の「訪問・通所、その他生活支援をどのように実施していくのかまとめきれていない」の発言のとおり。ようやく総合事業調査の結果も報告されましたが、「地域ごとのニーズを把握したい、顔の見える調査をしてはどうか、コミュニケーションの場としてもう一層のアプローチが必要ではないか」といった指摘もありました。「地域ケアプラザは地域の相談窓口と言われて来たけれど、コーディネーターは多忙。30%程度しか地域づくりはやれていない。コーディネーターの定着率や仕事の質にばらつきがある」といった本音も聞かれ、インフォーマルなサービスが、月1回とか週1回では足りないというのも全くその通りだと思います。
現場を知る委員からは、『やるべきことは「降りてくる」。だが、「なんのため」が見えない。めざすところや進捗状況を市民に提示すべき。』と言う厳しい意見も。山崎座長も、「横浜の動きがやっと見えて来たが国の方針をそのまま進めるのか?横浜市としての方向は?」と投げかけられていました。138カ所の地域ケアプラザを持って、地域交流コーディネーターを置き地域づくりを進めるなど先進的に取組んで来た横浜市だったはずなのですが。市は「財政的に厳しい」と否定的ではありましたが、地域支援事業の予算の上限は国が管理しているとしても、独自財源による上乗せは可能であり、山崎座長も「横浜が動けば国が動く。子ども子育て支援のように。」と奮起を促されました。
総合事業を推進する上で、国の構想では 「コーディネーター」や「協議体」を配置することとしています。検討会でも、4月を待たず生活支援コーディネーターを置き協議会を設置・準備会としてスタートし、PDCAサイクルを回してみると良いといった具体的な提案もされました。検討会は今後1〜3回程度開催され、次回は11月下旬〜12月上旬の開催とのこと。市民は段階的に始まる総合事業について追々知る事になるのでしょうか。現場のイライラもしばらく続きそう。