決算特別委員会|〜保育・子育て支援人材の確保と育成にむけた取組みについて〜
2015年4月より、「子ども・子育て支援新制度」がスタートします。各自治体でも、5カ年の子育て支援事業計画素案がまとめられパブリックコメントが始まります。計画にそって保育サービスを提供するとともに保育の質を確保するために、保育・子育て支援人材の確保と育成は重要な取組みです。決算特別委員会において、「保育士・保育所支援センタ-運営業務委託」や子育て支援員制度について取り上げました。
かながわ保育士・保育所支援センターは、今年1月にオープンし、潜在保育士の職場復帰支援を行っています。開設から今年9月末までの相談件数は2274件で、(うち求職相談が1358件、求人相談が916件、求職登録数266件、面接件数121件)採用件数は53件とのことです。これまでも福祉人材センターにおいて保育士のマッチングを行っていたものの殆ど実績が上がっておらず、そういった状況を踏まえれば、53人が職場復帰したという実績については、事業の有効性を表すものであり今後の取り組みに期待します。
かながわ保育士・保育所支援センターでは、利用する方々に対し、「保育士リワーク・サポートシステム」へ登録するという方法で希望する勤務形態を聞いています。今年9月末までに351件の登録があり、フルタイム希望39.5%(137件) パートタイム希望60,5%(210件)という結果でした。これは昨年実施された「神奈川県保育士実態調査」の結果とも一致しますし、各市町村が実施したニーズ調査に寄せられた現在就労をしていない母親望む働き方、つまり、子どもを預ける側のニーズとも重なります。今後は市町村に対しても、一時保育事業への積極的な取組みを促していくことが必要であり県の取組みを求めました。
来年度からは、子育て支援員制度もスタートする予定です。子育て支援員として認定されると小規模保育、家庭的保育、事業所内保育など地域型保育事業や一時預かり事業の保育者として従事することが可能となります。また、現在、小規模保育、家庭的保育、一時預かり事業等に従事している保育者にも、子育て支援員研修が義務づけられることになりますが、引き続き保育に従事することができるよう、また新たな担い手を広げるためにも、研修機会をできるだけ多く提供することが必要になります。
地域型保育事業は、待機児童対策としても期待できる事業であり推進したいところですが、子育て支援員研修を各自治体で実施することについて困難と判断し、地域型保育事業そのものを実施しない自治体が出る可能性もあります。子育て支援員の研修は国が示すガイドラインによる全国共通の研修課程として都道府県または市町村等が実施することとなっています。そこで、県が広域的にカバーして研修を実施すること、また各自治体の研修情報を網羅して発信するなど、県の取り組みを求めました。
次世代育成課からは、国と市町村の役割分担も踏まえながら検討していきたいとの答弁があり、今後も、各自治体の動向を把握し、県、あるいは中間的な団体に委託するなどして、子育て支援員研修の機会が十分提供できる体制を整備することも求めました。