常任委員会報告 男性も女性もワーク・ライフ・バランス

少子高齢化が進み労働力人口が減少していく中、昨年、国に設置された「女性の活躍による経済活性化を推進する関係閣僚会議」は行動計画を策定し、地方公共団体も一丸となって取り組みを進めるとしています。神奈川県においても、来年度の新規事業として「女性就業支援推進事業」(900万円)が予算化されました。

子育て期の女性の労働力率の低さ=「M字カーブの底の深さ」は全国都道府県ワースト2位、また、待機児童数も全国ワースト4位という状況の神奈川県ですが、あらためて両立支援に取組み、ワーク・ライフ・バランスの推進や女性の就業支援の強化を図るとしています。2010年に実施された国勢調査の結果では、女性の労働力率は15 ~24歳を除く全ての年齢階級で増加しM字の底も若干浅くなっていますが、神奈川県の未婚率は全国的にも高く、結婚しない、あるいは出産しないという方の比率の上昇が労働力率を高めているという側面もあり、なお多角的な視点からの分析が必要です。

県は、4年に一度、県内企業におけるワーク・ライフ・バランスの取組み状況についての調査を行っており、例えば女性の育児休暇取得率については、93.1%(2010年)という数字も提示されました。しかし、男性の取得率は1.2%にとどまっています。また、非正規雇用者の実態は不明とのことです。
今や働いている人の3人に1人は非正規、女性の半数以上が非正規雇用である状況を踏まえ、非正規雇用者の働く環境を捉えた対策が求められます。来年度は、「働く環境に関する事業者調査」の実施年度にあたりますが、働き方の多様性に着目した調査とすべきです。

2011「地域政党からの提案」より

また、出産などによる離職後の再就職支援では、保育サービスが「望む働き方」をサポートするものである事が重要です。現在の保育施策が子育て世代が望む、短時間勤務などフレキシブルな働き方に対応できているのか、あらためて保健福祉局とも連携し検証することを求めました。
正規雇用者だけを対象とした労働政策や保育政策から働き方の多様性に着目した取組みに転換し、男性の働き方の見直しも含めたワーク・ライフ・バランス施策を推進していくことが必要です。