私は、今年度、環境事業緑政消防委員会に所属しています。8月20日には、この常任委員会の行政視察で、室蘭市を訪ね、室蘭港にある「広域防災フロート」について職員のお話をうかがいました。
この防災フロートは、2000年の有珠山噴火を契機に、全国で4番目の施設として配備されたもので、有珠山、駒ヶ岳、樽前山などの火山噴火や大規模地震を想定し、災害時には、「代替岸壁」(浮島状態)として利用したり、被災地へ曳航し住民避難、物資輸送やへリポートなど復旧活動の支援施設として利用できとされています。整備には11億3500万円を要し、その内、国が6割を補助する事業です。付属品の交換なども考慮すると維持管理費が年間500万円。しかし、現在まで活用の機会はないそうです。
フロートの移動には1回300万円ほどかかるとのことで、日常的な市民利用は難しいそう。質問に対し担当者は。
ホエールウォッチングや釣り場として、また、花火の打ち上げに使ってはと言った提案もありましたが、300万円の負担は重そうで、職員の割り切れない思いも感じられました。
自治体が必要としている事業にお金を使えるように、国の補助事業のあり方を見直さなければなりませんが、自治体側でも「市民生活」にとって必要な事業か?という当たり前の議論が必要。
おりからの台風のため、フロートはバスの中から眺めましたが、頑丈なヒモ(ロープ)でしっかりとつながれていました。「ヒモ」をカットできる日はいつか。