24日、特別委員会の視察で、「ゆうゆうのもり幼保園」にうかがいました。横浜市で最初の保育所と幼稚園を融合した施設です。国でも、昨年10月に「認定こども園」制度が施行され、認定を受ければ幼稚園でも0歳児から子どもを預かることができ、また、保育園でも「幼児教育」を行えるという幼保一元化がスタートしています。少子化や共働き家庭の増加で園児が減少する幼稚園と待機児を抱える保育園、双方の課題を一気に解決といきたいところですが、課題もあります。ゆうゆうのもり幼保園を運営されている渡邊理事長からは、「親の就労形態によらず子どもを中心に据え、その育ちを支援する」といったコンセプトを伺いましたが、「メリットも見えない」という本音ものぞきます。認定こども園事業に、新たな財源措置がなく、厚労省と文科省の縦割りの弊害がそのまま現場に持ち込まれています。幼稚園は県の管轄、保育園は横浜市の管轄。光熱費から食材費まで、幼稚園と保育園で按分した収支報告が必要になるそうです。キャベツ1個、コピー一枚まで。その上、県と市、ニ度の監査を受けることになります。
認定こども園では、就労形態の変化や子どもの成長段階により、幼稚園、保育園とを選択することが可能と言われています。しかし、子どもを預ける基本的な時間(幼稚園は4時間、保育園は8時間)の差や、保育料の違いもあります。保育園の保育料は親の収入によって段階的に金額が設定されており、生活保護世帯への減免制度やきょうだい児への割引制度もあり、幼稚園に比べ、手厚い補助金制度となっています。これらの違いについて、保護者の理解を得ることはかなり難しいそうです。
「親の就労形態によらず子どもを中心に据え、その育ちを支援する」という目的に照らして、入園要件の緩和、一時保育への取組みを進めるとともに、「働き方」の見直しなどの取り組みの必要性も再確認しました。