親支援からの転換を!「学校生活支援員制度」

横浜市の公立小・中学校における個別支援級は、小学校99.7%、中学校94.5%で設置されており、児童生徒数は、10年前と比較し約2倍、5年前と比較し1,5倍に増加しています。また、普通学級に在籍する支援の必要な児童生徒も増加傾向にあります。(小学校: 06年度→2.8% 07年度→3.4% 中学校: 06年度→1.4% 07年度→1.9%)

このように、特別援教育の必要性が高まっているなか、小・中学校における学校生活支援員制度の活用状況は、05年度 331名→06年度 269名→ 07年度164名と減少を続けています。
これを受け、09年度予算は、特別支援教育のための予算「特別支援教育の指導振興費」が対前年度マイナス4、1%となりました。特に、学校における日常生活や校外学習の際の介助や、通学支援など子どもたちを適切に支援していく事業として、市が事業の利用拡大を推進してきたはずの「学校生活支援員事業」は対前年度マイナス30%の予算の約2800万円となってしましました。

市としては、学校生活支援員制度の利用拡大を推進する方針があり、かつ、支援を必要としている子どもがいながら制度が使われていないというのは、制度に課題があると考えます。

20年度には、これまでの「障害児教育プラン」に変わる新たな指針策定に向け、「横浜市特別教育支援会議」の提言も取りまとめられていますが、その中でも、学校生活支援員制度が、母親が健康で学校に送り迎えや介助ができることを前提とした保護者支援の制度であることが問題であると指摘されています。
学校生活支援員制度は特殊教育の時代に作られたものです。あらたな特別支援教育=「一人ひとりに応じた教育」の充実に向けては、「こどもを支援する」制度として、制度を充実させていく必要があります。