議会と市長の対立が深刻化した名古屋では、「暴走する議会を解散する」と市長自ら先頭に立ち議会リコール運動も始まったようです。こういう動きを見る限り、むしろ、改革派と言われる首長の方が、「政策は行政がつくるもの!オール与党体制で政策決定し、結果99,9%首長提出議案が原案可決だ!」などとという旧来型の思考が強いのではないかと感じます。
首長と議会はそれぞれ直接選挙で選ばれた代表機関です。必要なのは、首長が議会をコントロールできる仕組みではなく、住民が議会や首長をコントロールできるしくみです。
フォーラムの基調報告では廣瀬克也さんから、2010年度の各自治体予算議会で、予算修正が続発している状況、特に、教員配置に関わる教育予算の増額修正が行われた福岡県田川市議会の事例も報告されました。内発的な改革の成果が市民に実感されるよう、さらなる努力が必要とのエールもありました。
すでに議会基本条例を制定している三重県議会、京丹後市議会の報告も実践に裏打ちされたものでした。行政計画への議会の関与、議員提案や議員間討議、移動議会や議会報告会の開催と、現行の制度の中で変えられることも数多くあります。国主導の改革議論に委ねるのではなく、合議体としての議会、そこでの議員間の討議の重要性や、議会として市民に向き合う必要性、さらには、二元代表制を前提とした首長マニフェストの意義を踏まえ、議会という公式の場で政策討議を行う流れを強めていかなければなりません。