横浜市教育委員会は、30日付けで、常任委員あてに、「条例改正について市会に諮るいとまがないため、市長専決により改正を行い、次回の市会第二回定例会にて報告を行います」との説明資料を配布しています。
1月中旬に、文科省が自治体職員向けに行った説明会資料を見ると、「授業料不徴収等に係る法施行日以降は、現行条例について、法の内容に抵触する形で授業料を徴収することができなくなることを踏まえれば、必ずしも年度内の条例改正が必須ではないと考える 」とあります。実際、文科省は、条例改正は5〜6月になるとのスケジュールを描いていたようです。つまり、改正条例の施行日が、法律施行日から遅れても、(遡及適用を条例で担保することにより)不徴収に支障はないという考えのようです。同時に、「年度内において地方自治体の自主的判断により条例改正を行うこともあり得る」 などという考えも示されています。先月26日までは、定例会を開催していたのですから、そこで条例改正を行う事も一つの選択肢だったということです。
しかし、横浜市が選択したのは、「専決処分」。条例制定や改廃は、議会の議決を必要としますが、以下の場合に限り、首長が先決処分を行うことが自治法で認められています。
1)議員が召集に応じない
2)客足数に満たない
3)議会を召集する暇がない
4)議会において議決すべき事件を議決しない
教育委員会の説明資料には、上記のような文科省とのやり取りはもちろん、教育委員会としてどのような検討がされたのかについて一切の説明はなく、「常任委員会正副委員長には過日ご報告を行いましたが、委員の皆様におかれましてもよろしくご理解をお願いいたします」とありますが、議会の議決をの意味をどのように捉えているのでしょうか。
地域主権と言われる中、自治体の条例制定、改廃にどのような姿勢で望むのか、今まで以上に問われます。このたびの教育委員会および市長の「専決処分」を行うという判断について、すでに常任委員会委員長・副委員長の了承も得ているとしても、議会として簡単に了承すべきではいと思います 。