横浜市は、「横浜みどりアップ計画」の 一環として、横浜みどり税を財源に、民有地内に設置する花壇やプランターの整備費用を助成する「区民花壇事業」をスタートさせました。
個人の庭でも道路に面しているとか、大勢の目に触れる花壇なら助成対象になります。また、花壇の設置に要する経費(縁石・プランター・花苗・培養土等の緑化資材費、工事費など)のほか、支障物件の移設や調査・設計などの付帯経費及び小型耕耘機・散水ホースなどの維持管理用備品等購入費も助成の対象としています。
付帯経費、備品経費購入費の合計額については本工事費の25%を上限とするという条件はありますが、花壇の設置は個人が行っても、事業者に依頼しても自由。事業者に依頼すれば当然コストが掛かりますが、支出の中身は一切評価なし、助成限度額内であれば面積に応じて補助金が支出されます。 事業初年度の09年度の予算は1000万円(上限50万円、20件)を予定していましたが、4件(個人2件、団体2件)140万円の執行に留まっています。昨年12月に要綱を作り1月から2月中旬まで約1か月間で募集を行い、5団体の応募があったといいますが、年度末の駆け込み執行の感は否めません。
私も、先週、助成対象となった花壇をいくつか見て来ました。助成を受けた個人が所有する宅地に作られた20,2㎡の花壇にはパンジーやデージー小さなツツジが植えられ、㎡あたり1万円以内という助成限度額にあたる21万円が助成されています。別件の商店街には25個のプランターにパンジーが植えられ、47万5千円の助成が行われていました。皆さん、この事業の費用対効果をどのように考えられますか?
みどりアップという目的を効果的かつ効率的に進める事業でしょうか。補助事業とするには、市が直接事業等を行うより効果的であるということが条件になると思います。自治体が補助を行えるのは「公益上必要がある場合」であると自治法にも定めがあります。また、金銭的な支援が必要な場合に限られるべきです。
今年度の申請受付を今月末に控え、急ぎ運用を見直しているそうですが、補助の必要性や公益性、および、補助対象団体の適格性などについての判断基準を持たないままに、特定の個人・団体に補助金を交付すべきではありません。
何よりも、さまざま意見が出され、附帯意見まで付され可決したみどり税の使い方として、市民の皆さんに賛同いただける事業でしょうか。今一度、見直しを求めたいと思います。