今年は、①地域づくり、②市民自治と議会、③国際協力と北東アジアの平和と人権という3つのテーマ分科会を設け、新しいネットワークの構築や地域レベルでの取り組みの共有化・交流の促進、そして市民社会の担い手づくりに向けて、日韓それぞれの活動を学び合う機会を得ました。
第一分科会は、青葉区に日韓の参加者を迎えて食と農ベースにしたまちづくりをテーマにフィールドトリップを実施しました。区内の栽培収穫体験ファームや谷戸の保存に取り組むNPOの活動、さらには、寺家ふるさと村での水田保存奨励事業、そして、障害者と共に働くグリーン農園などを見学し、横浜市の農政と市民の実践を紹介しました。また、韓国の鎮安郡における村づくりのビジョンと実践も伺いました。
鎮安郡は、高齢化と過疎化という農村の課題に向き合い、自治体を挙げて集落活性化事業に取り組んでいます。U・Iターン支援を始め住民教育やリーダー育成にも力を入れています。さらに、日本からの研究者や自治体の訪問を受け、日本語学校や日韓交流協会を設立され交流を進めています。
韓国側の参加者からは、例えば、市の施策として展開されてきた栽培収穫体験ファームが、どれだけ農の担い手不足という問題の解決に資するものなのかといった率直な声も聞かれました。それについても、生産としてだけではない農の価値として、新・旧住民のコミュニケーションのツールとなり、農のすそ野を拡げるとともに環境保全につながる事業であることなど確認し、開発によって大きく姿を変えてきた横浜北部の課題に直結する振り返りができました。
都市の特性の違いもあり、活動のレベルの差異はあるものの、共通のイシューも発見し、経験交流することの価値をあらためて感じた一日でした。
培収穫体験ファーム〜農家の指導で野菜づくり〜(横浜市環境創造局HPより抜粋)
農家が経営・指導する市民農園です。畑の耕耘から種・苗の準備、栽培指導を開設農家が行います。
いわば、農家が先生となった「教室方式の体験農園」です。
利用者は農家の指導を受けて、本格的な野菜づくり、農作業を体験します。初心者でも多くの収穫が得られるのが特徴です。
92農園 12.6ha (H21/3月現在開設数)