神奈川県内の保育所入所待機児童が5年ぶりに、1022人減り3095人になったことが報告されました。(4/1現在)
しかし、この数字は、待機児童数のうち、認定保育室(県が補助する認可外保育室)や横浜保育室、家庭的保育事業、一時預かりなどのサービスを利用する子どもの数がマイナスカウントされたものです。シンプルに保育所申込者数から入所児童数を引いた児童数「入所保留児童数」は8,540人にのぼります。8,540人全てを認可保育所で受け入れることは困難ですが、そのニーズを分析し、さまざまなサービスを用意することで、子育て世代のニーズに応えることができるはずです。そして、子どもを預けたいと考える人に、一時預かりなど、認可保育所以外の保育サービスがあることを知っていただく事も重要です。横浜市の待機児童数が581人減少し971人となりました。待機児童のうち、入所要件が低いGランク(保護者が就労しておらず求職中)が待機児童の4割、入所要件が高い Aランク(保護者が月20日以上、1日8時間以上の就労等)が2割と、二つのランクの比率が高くなっており、それぞれ求められるサービスも異なっていると思われます。
神奈川ネットは、子どもを預けたい本当の理由、入所要件(週4日以上の就労)と子育て世代のニーズのミスマッチという課題を明らかにし、保育所を整備するだけでなく、一時保育など多様なサービスを展開することを提案してきました。多様なサービスの展開により、横浜市における待機児童数は減少に転じました。
県内市町村が行なった調査(*1)からは、神奈川の特徴として、父親の長時間労働と遅い帰宅時間、また、母親は子どもが大きくなったらパートアルバイトなどで働きたいと考えている人が多いという状況が明らかになっています。
県が持っているデータも生かし、子育て世代のニーズを明らかにし、市町村が多様なサービスを効果的に展開できるよう、引き続き提案していきます。
*1:次世代育成支援対策推進法に基づく神奈川県の地域行動計画(後期計画)の策定にあたって実施されたニーズ調査
(未就学児を持つ親のうち88.3%が、パート・アルバイトを希望、52.1%が週3日以内の就労を希望している)