続いて、横浜市の都市型風力発電ハマウィング(瑞穂埠頭)を見学しました。ハマウィングの建設工事費は約5億円で、財源はNEDOからの補助金2億円と市債「ハマ債風車」の3億円が充てられました。当初、年間予想発電量を約300万kWhとしていましたが、21年度の実績は約231万kWhで、一般家庭の年間消費電力の約500世帯分に相当する発電量にとどまっています。平成21年度収支状況は、ハマウイングの管理運営コスト4,941万円に対し、売電収入が5,437万円、電電力量1kWhあたりのコストは21円とのこと。風車を制御するために必要な電気以外は、すべて電力会社に売電していますが、現在、1kwhあたりの売却価格は5円30銭程度まで下がり、事業としては大変厳しい状況です。
エネルギー政策への取組みにあたっては、自治体が直接事業を展開するだけでなく、官民の連携モデルを模索することや、太陽光や風力といった不安定なエネルギーを調整できるスマートグリッドや蓄電技術の開発に向けた取組みをサポートするスキームが必要です。省エネ施策もまた重要です。
エネルギーに関心を寄せることで暮らし方も変化します。そのためには、消費地から遠く離れたところで作られ、いくつもの変電所を経て長い送電線で送られる電気よりも、地域で作られるエネルギーの活用を拡げていくことが必要です。