ジェンダーバランス変革のためのチャレンジ
今年度、生活クラブ神奈川の進める居住支援事業における調査活動に関わることになり、居住支援室が開催する連続フォーラムにも参加しています。
8月26日には、認定NPO法人女性と子ども支援センターウィメンズネット・こうべ代表理事正井禮子さんと、特定非営利活動法人共同の家プアン代表郡司真弓さんをパネラーに迎え、「女性と居住を考える」と題したキックオフフォーラムが開催されました。
正井さんは、1992年にウィメンズネット・こうべを立ち上げて以来、相談支援事業や、シェルターやステップハウスを開設。DVや性暴力、社会的要因などで困難な状況にある女性たちに寄り添い活動を続けてこられました。海外にも目を向け知見を広げ、「ここにしか住めない」ではなく「ここに住みたい」と思える住まいづくりを目さして取り組んだ六甲ウィメンズハウスも今年6月に開所されたとのこと。一度うかがってみたい。
印象的だったのは、正井さんが受け止めてきたDVや性暴力の被害者が発する「すみません」「家庭内のこんなつまらな いことを相談してよいのでしょうか」といった言葉。ここに日本社会の歪みが表れているように思います。
とりわけ、阪神淡路大震災後直後から取り組まれた支援の中で出会った女性たちが経験した困難や、それを「無かったことにしたくない」という女性たちの言葉は、ずしりと響きました。
郡司さんも、20年にわたる女性支援の実践から、女性支援に関わる法制度の遅れ・不備や、男性中心社会と刷り込みといった課題が挙げられました。ステップハウス「共同の家プアン」(2004年開設)は、これまで116ケースの支援を行っており、今後はデータ分析を進め政策課題を明らかにしていくとのこと。
実は郡司さんとは20年来のお付き合いで、神奈川ネットワーク運動の先輩でもあります。
そして、初めてお会いした正井さんとも一献傾ける機会を得て、女性と政治を語り合ったのですが…。なんと、郡司さん、正井さん、お二人とも政令市における市議選にチャレンジされた経験をお持ちでした。これもジェンダーバランス変革のためのチャレンジだったんですよね。
ローカルパーティの存在意義も再確認できた出会いに感謝。
正井さんと、横浜市鶴見区矢向に開設した生活クラブ神奈川が運営する女性のためのシェアハウス「Nagomo矢向」を視察