IR~説明して来た「開業までのプロセス」はウソだったのか~

9/4 に国土交通省(観光庁)が、IR整備法に基づく「基本方針案」を公表、10/3までのパブリックコメントが始まっているのですが、
これまで内閣府が説明していた「開業までのプロセス」と異なる進め方になってます。
何でそうなるのか?
それを確かめるために、あべともこ衆議院議員の呼びかけで 内閣府および観光庁への公開ヒアリングに参加しました。

IR整備法説明資料(2018年12月28日時点)

「基本方針案の作成・パブコメ」より先に設置されるはずだった「カジノ管理委員会」は未だ設置されていません。
「なぜ?」と尋ねると、法律を決めた時に書いたはずの開業までのプロセスであるにも関わらず、内閣府および観光庁の参事官は、「あくまでもイメージ図として示したものだ」と言います。

そして、国民の多くが懸念を抱き、反対の声が強いカジノに関して行う最初で最後のパブコメなのに、
募集期間は30日しかない。

30日と言うのは、行政手続法で定められているの最低限の意見募集期間です。
なぜ、横浜市も国もこんなに急いでいるのか?
参事官は、「なるべく早く日本の観光施策にプラスの効果をもたらしたいので」と言いますが、そうでしょうか。

2018年7月にはIR整備法が成立していました。なのに、カジノ管理委員会の設置を参議院選後まで先送りし、その結果、いきなり基本方針案を作成し、急ぎパブコメを実施しないといけない状況になったのではないのかと勘ぐってします。

基本方針案の中には「本方針が公表される前 から進められている手続の取り扱い 」という項目もあって、本来は、①基本方針を策定して、②実施方針を策定して、③IR事業者の公募・選定をするというプロセスなのに、

基本方針案には「(都道府県等において)基本方針が公表される前から、実施方針の作成や民間事業者の公募及び選定のための手続きを進めておくことも想定される。」とも書かれています。

法律を定めた時には①②③のプロセスで進めるとしておきながら、急ぐなら「すっ飛ばして進めるのもあり」何なら「あとで基本方針とかけ離れてないか確認して必要だったら修正せよ」と書いてある。(18ページ)「実施方針は地域の合意形成を図っていく上での基礎となる構想である」(11ページ)などという割に何でもありのプロセスに思えます。そもそも基本方針ってこんな感じのもので良いのでしょうか。不思議でしょうがない。

あべともこ衆議院議員をはじめ、大河原まさこ衆議院議員、江田憲司衆議院議員、真山勇一参議院議員と共にヒアリングに参加

改めて考えさせられたのは、IR整備法にある民間提案の仕組みの問題です。(15ページ~)
基本方針案にも書かれているように「IRは我が国にこれまで存在しないものであり、都道府県等にも十分な知見の蓄積がない」ことが前提の仕組みです。民間提案の扱いについては、事業者の権利、競争上の地位や利益を損ねないように留意せよとあり、それでいて公正性や透明性を確保した上で事業者を選定することや、地域における十分な合意形成を図ることも求められています。
合意形成には、十分な情報提供、情報公開も必要になるわけで、これらを同時に成り立たせることは可能なのだろうかと思ってしまうのです。

聞きたいことはたくさんあったのですが、実は、入り口の「カジノ管理委員会は未設置ではないか」・・・というところで随分時間がかかってしまったのでした。
時間切れになったところは、また次回に。

基本方針案
IR整備法説明資料(2018年12月28日時点)