「介護保険」まだまだ「しかたない」とは言わない!
今月の情報紙は介護保険制度についての特集です。
制度改定を繰り返しながら給付の抑制が進む介護保険制度。「共助・互助」が強調され、2018年度からは「総合事業」=自治体事業も本格実施となりました。
一見、介護に関わる事業の幅が広がったようですが、総合事業の財源は給付を削って生み出したものだし、予算の上限も設定されています。制度のキモは国が握って、事業は地域に丸投げという状況。「そもそも介護保険だけではやれないんだから(介護保険の問題を言っていてもしかたない)」という意見も聞かれます。でも、これは議論のすり替えだと思う。
共助や互助は大事だし、介護の分野でもインフォーマルサービスや、居場所の必要性も認識していますが、どこかでやれてるモデルを「皆さんやってください」という流れには違和感を持ちます。
包括支援というならば、介護保険事業に組み込むよりも、生活困窮者や子ども・若者支援と様々な制度や事業とどう繋げるのかというようなところから議論することも必要ではないでしょうか。
私たちがNPOとして介護保険事業に参入している意義の一つは、介護保険サービスを使う人たちの立場に立って制度の問題点も明らかにし、より良い制度となるよう運動していくことだと認識しています。
介護保険事業は「崖っぷち」ですが、必要としている人には継続的にサービスを提供したい。多世代・多機能型のヘルパー事業を拡大したり、法人内の介護保険事業の統合(通所+居宅+訪問)にもチャレンジしたいと思っていますし、引き続き制度提案にも取り組んでいきます。