多機能型保育で「保育園を地域にひらく」その1高知で学習会
7月17日、NPO高知市民会議主催の多機能型保育の学習会に招かれ、ピッピ親子サポートネットのメンバーとして法人の取り組みを報告、保育や介護事業者、ボランティア団体、自治体職員など様々な立場の皆さんと意見交換しました。
高知では、県の事業として2016年から多機能型保育事業がスタートしています。この事業は、保育所などで多世代の交流を進め保育所の子育て支援機能を強化することや、地域の人材を活用して子育て支援を行う仕組みづくりをめざしています。こうした事業の目的に照らし、ピッピが保育所から学齢期の居場所、ヘルパーステーション、おやこの広場&一時預かり、小規模保育、居場所事業と、多機能サービスを提供することとなった経過をお話ししました。
ピッピ保育園では、地域につながる窓として一時保育にこだわってきましたが、出向いていくことから地域とつながる「まち保育」にも取り組み始めました。2011年には、空き家を活用してほしいという申し出があり多世代の居場所作りましたが、私たちは小規模保育事業や介護保険事業という制度を活かして運営することにこだわりました。
デイサービスの利用者の中には、呼び寄せ介護など「地域」との接点を持ちづらい高齢者も増えています。国や自治体が推進する域包括ケアシステムにおける「地域」の考え方は、日常生活圏域=中学校校区とされていますが、地域という概念の多様性や個々の暮らしに目を向け新しいつながりを丁寧に作る取り組みこそが重要です。
意見交換では、子育て支援や居場所事業の多くが制度外の独自事業として運営されている現状もあり、実践から制度を作る、あるいは、制度を使いながら変えていくために政策提案活動の重要性も共有できました。高知県の多機能型保育も始まったばかり。現場の実践が注目されます。
学習会に続いては高知県の担当課へのヒアリングを実施、フィールドワークでは、さくらんぼ園、Azonoにこにこ駅さんを訪問しました。続けてレポートします。
(レポート2県へのヒアリング編に続く)