アディクトを待ちながら@横浜シネマリン

映画「アディクトを待ちながら」が、ようやく横浜でも上映となり、シネマリンへ。
ギャンブル依存症やアルコール依存症、薬物依存症、買い物依存症といった依存症をテーマにしたこの映画には、実際に回復を続けている依存症者やその家族が多数キャスティングされ、やめ続ける人、待ち続ける人が描かれています。
知れば知るほど、この病気が人間性の問題ではなく脳の病気であり、社会が生み出している多くの生きづらさに起因するものだと気付かされます。台本のない即興のお芝居が展開された場面では、依存症からの回復を続けておられる方が語られた苦しさと生き直しへの決意に心打たれるのですが、何より、即興芝居を成立させられる俳優さんたちが凄いなと。(舞台挨拶でナカムラサヤカ監督も称賛されていました)

20年近く前に、女性のための回復施設の立ち上げに奔走されていたNPO法人ヌジュミの田上啓子さんと出会い、ご自身のギャンブル依存症からの回復経験に衝撃を受けました。同時に、借金まみれになって疎遠になった「彼」のことを思い、病気を正しく理解していればこうはならなかっただろうと多少の後悔を感じたのでした。
その後、横浜IR誘致をめぐる運動の中で出会ったお医者さんや、この映画のプロデューサーを務めた田中紀子さんやギャンブル依存症家族の会の皆さんとお話を重ねるなかで、私たち家族は間違っていたんだなと悟りました。

田上さんとの出会いからさらに20年が経ち、「リカバリーカルチャー=回復者がつくる文化」が生まれているのですね。こんな映画が上映され、しかも連日満席の状況が続いていることに胸が熱くなりました。俳優さんや、監督、プロデューサーのチャレンジに心から拍手を贈りたいです。