立憲民主党・社会保障制度調査会のヒアリングへ
3日、立憲民主党の社会保障制度調査会が開かれました。
テーマは、介護保険制度。私も介護事業に関わる立場から参加しました。
現在、厚生労働省の社会保障審議会・介護保険部会では、来年度の法改正に向けた制度の見直しが議論されており、要介護1・2の給付のあり方も検討項目にあげられています。要介護1・2の人たちを「軽度者」として、給付の対象から外すといった議論です。
そこで、要介護1の方たちが、訪問介護や通所介護を利用しながら、なんとか在宅生活を成り立たせていることや、さらなる給付抑制への危機感を訴えるために、調査会のヒアリングを受けることになりました。
〜複数の病気や症状があり外出も困難で、食事や服薬管理等なんらかのサポートがなければ命の危機につながる利用者。介護保険サービスを使いながら仕事と介護を両立させている家族。綱渡りが続く遠距離介護。〜
どの事例も現在利用している給付サービスあっての在宅生活でした。
2014年の制度改定により、すでに要支援1、2の訪問・通所介護が一部保険給付から外れ、市区町村の裁量で行われる「総合事業」に移されています。しかし、総合事業の担い手は圧倒的に不足しています。
結果的には、多くの自治体で従前相当のサービスが提供されている状況です。さらに要介護1、2の認定者への生活援助サービスを給付から外すことになれば、介護の必要な高齢者が在宅生活を続けて行くことは困難になります。
社会保障審議会・介護保険部会の議論が大詰めを迎える中、安倍首相を議長とする全世代型社会保障検討会議も設置されました。年内には、社会保障制度改革の大方針をまとめるそう。
ヒアリングに同席した内閣府職員に対して、議員が「全世代型社会保障検討会議では、具体的にはどのような課題を議論するのか?これまで積み上げて来た社会保障審議会の議論はどうなるのか?」などと問い質す場面もありましたが、詳細は明らかにされませんでした。
こうした議論を参議院選挙後に先送りし、選挙後一気に官邸主導で決着させようとする動きも危惧します。
さて、現場の声は議員や職員に届いたでしょうか。
これまで、介護の問題をめぐって当事者や家族がアクションすることは難しいと感じていました。だからこそ可能な限り福祉現場からも声をあげていくことが必要だと思っていますが、制度改定のたびに介護の社会化は後退し、私たちは土俵の外に追い出されているような気分にもなりかけていました。
でも、調査会へのヒアリングに皆さんと参加し、当事者が決意し自ら訴える姿には、本当に励まされました。貴重な機会を頂いたことを力に、次の取り組みとして、院内集会(10月28日)の準備を進めます。