種子の保全・開発は?スマートエネルギー計画は?神奈川県へヒアリング 

 8日、生活クラブ神奈川の組合員の皆さんと、神奈川県の農政やエネルギー政策などについて担当課にヒアリングさせてもらいました。

 まず、農政課及び農業振興課。種子法の廃止と同時に県条例も廃止になり、今後県として、主要農産物の種子の保全・開発をどのように進めるのかは、組合員にとっても大変気になるところ。
 県は、「条例は廃止されても同様の趣旨で要綱を制定している」「義務が外れても今後も原則これまで通り実施していく」というスタンスを強調。合わせてお聞きしたのは「都市農業推進条例」をはじめ県内農業の推進策です。農地面積及び生産額の減少に対して強い危機感を持ち農業活性化指針に基づき様々な事業を進めているとのことですが、進捗状況は5年に一度しか把握でず、現時点で事業の効果は確認できないとのことで政策議論はなかなか深まらず残念でした。いずれも今後も意見交換を重ねていきたいテーマです。
 続いてエネルギー政策について。かながわスマートエネルギー計画では、「県内の年間電力消費量の削減率」を、2010年度に対して2020年度にマイナス10%、2030年度はマイナス15%とするという目標を掲げています。しかし、2016年度実績では 9.3%にとどまっています。もう一つの目標「年間電力消費量に対する分散型電源発電量の割合」については、2016年度実績で13,6%。目標値は、2020年で25%,2030年は45%とされているので、こちらも苦戦。
 また、県内の太陽光発電の導入量は、2016年度実績で約 91.2 万 kW となり、 2010年度に比べて約7倍まで増加しているものの、全国都道府県40位という実績でした。こうした状況について、県では、電力系統への接続制限、賦課金による国民負担の増大、固定価格買取制度の買取価格の見直し等の影響により、全国の状況と同様に神奈川県でも太陽光発電の新規導入量は減少していると分析されています。
 なかなか計画通りに進まないもどかしさを抱えているスマートエネルギー計画ですが、この計画は「ストレッチ計画」ですと。ストレッチ計画とは、実行可能な所に置く目標ではなく、「県の姿勢を高い所に置いている」とのこと。であってもエネルギー革命を提唱していた黒岩知事には計画をクリアすることに拘ってもらいたい。
 
 ヒアリングに参加したパワシフ見える化アクションチーム座長の青木マキ市議からは、「電力会社を選べる今、例えば太陽光発電の導入量の考え方として、自然エネルギーの電気に切り替えたという部分も合わせてカウントし、エネルギーシフトを見える化するようなことも考えられるのではないか」という提案がありました。この提案について、県は「メガソーラーで発電したものを運んでいるのでは集中型電力と変わらないので」というやや消極的な捉え方でした。が、身近な暮らしにどう落とし込むかという視点は大切にしたいところ。例えば、「かながわエコ10トライ マイエコ10宣言」の中には盛り込めるんじゃないの?とさらに提案。これならばすぐにやれるし、やったほうが良いと思います。
 ぜひ、確認してみたかった、家電販売店に対して「統一省エネラベル」の提出を義務化する条例(神奈川県は未制定)については、現状を確認して回答をいただく事になりました。省エネ意識を浸透させる仕組みとしてぜひ条例化を!ということで今後も働きかけていきます。