出会い、集う場「くらしてらす」すから始まるまちづくり
2018年4月、横浜北生活クラブ生協の新拠点『くらしてらす』がオープンします。そこで、新たな拠点づくりに関わってこられた皆さんにお集まりいただき、「くらしてらす」から始まるまちづくりについてお話いただきました。
パネラーのお一人、横浜北生活クラブ生協理事長安永寿子さんからは、FEC+W(フード、エネルギー、ケア+ワーク)の自給圏づくりについてお話いただきました。くらしてらす1階は市が尾デポー、2階は保育園(ピッピみんなの保育園)、3階は組合員スペース、屋上には太陽光発電所も。
各事業をワーカーズ・コレクティブメンバーが運営します。デポーには魅力的なイートインコーナーがあり、保育園には理由を問わない預かりの場「一時保育ルーム」や子育て支援スペースがあります。また、3階のスペースも地域に解放された場として設計されておりそれぞれ「出会い、集う」場としての工夫があります。また、「生活クラブでんき」と契約し、自家消費太陽光+「生活クラブでんき」で自然エネルギー自給100%をめざすそう。新拠点は、まさにFEC+Wの自給圏づくりの拠点。ワクワクします。
太陽光パネルの設置にあたっては寄付を募り目標金額を超えて約360万円ほど集まったそうです。くらしてらすや自然エネルギーで暮らす未来への期待の大きさがうかがえます。この手応えは、昨年、私たちが、横浜市内のデポー(生活クラブ生協の店舗)の協力を得て実施した「電力会社どうしてるアンケート」の際に感じたものに重なります。市議青木マキさんから、アンケート結果を報告してもらったのですが、青木さんも「もっともっとパワシフできる!エネルギーを変えていく意思表示がエネルギー政策を転換させる力になる」と訴えました。
ピッピ親子サポートネットの友澤ゆみ子理事長からは、目の前のニーズに向き合うことから広がった子育て、介護、就労支援などの事業や、くらしてらすで展開される「預かる」保育所と子育て支援や相談機能を併せ持つ「子どもと家族を応援するまちの拠点」構想が語られました。将来的には、拠点内の多事業所と連携した就労支援も展開してみたいとの想いも聞かれました。
続いて、市が尾デポー店内キッチンで惣菜・弁当を製造、販売するワーカーズ・コレクティブミズキャロットすすき野ブランチの奥本直子さんのお話。1993年から続いている食を通して地域と繋がる活動を伺いました。「高齢化が進み団地から出てこられない高齢者も多い。そういう人たちが配達を待っている。階段を駆け上がり食事を届ける。心待ちにしていた利用者さんの話し相手もする。共働き家庭や産前産後のニーズも増えている」とのこと。
2005年に始まったあざみ野中学校への弁当配達は、市の実施するハマ弁開始後も1日60食のニーズは減らないといいます。4月からは新たにすすき野中学校への弁当配達も始めるとのこと。採算は厳しくともコミュニティワークの価値や信頼関係を大切にチャレンジを重ねる取組みに参加者から感嘆の声があがりました。
パネラーのみなさんの幅広い実践は、食の安全や子育て介護、環境と、私たちが取り組んできた政策アクションにも重なるものでした。
今後も「くらしてらす」から始まるまちづくりにコミットし、その活動が豊かに広がるために必要な政策制度を提案できるローカルパーティでありたいと思います。