韓国清州市の皆さんと交流

6月15日、韓国の忠清北道、清州市の前市議会議員のユン・ソン・ヒョンさんを中心に7人の訪問団の皆さんを受け入れました。
ユンさんは昨年も忠北市民財団(市民社会の実践をサポートすることをめざす中間組織)の一員として青葉区を訪問くださり、ローカルパーティの活動とNPOの政策形成活動について意見交換させてもらいました。今回は、少子高齢社会におけるまちづくりの実践事例の研究を目的に、地域でネットワークしているソーシャルワーカーの皆さんたちを引き連れての来日で、ピッピ親子サポートネットの協力を得て親子支援の広場や多世代が集う居場所など、区内の拠点を巡りました。

ピッピおやこの広場はっぴい、大場町みんなのいえを見学

すでに超高齢社会(今年1月1日時点の高齢化率27.4%)を迎えた日本。昨年、出生数はついに100万人を割り、人口動態統計を取り始めた1899年以降過去最少
を記録しました。当然ながら「三世代同居で子育ても介護も当たり前に家族の力で」というような事が難しくなっています。内閣府の調査では、「子育ての悩みを相談できる人がいる」と答えた人が2003年には73,8%でしたが、2014年は43,8%と大幅に低下しています。
韓国もまた、2020年の高齢化率は15.6%と予想されるものの、その後2030年には24.5%、2040年には32.8%、2060年には41.0%と予想されています。出生率も1.17(2016年)と、急速に少子高齢化が進んでいます。
視察団の皆さんからは、日本の介護保険制度についていくつか質問を受けましたが、給付の抑制によってなんとか制度を維持している状況は、私たちとしても忸怩たる思いです。そんな中で、NPOが実践する多世代型の交流拠点事業や、行政と協働して取り組む親子支援の広場事業については、関心と共感を寄せてもらいました。
夕方からは館内の神奈川ネットの事務所へ。事務所に掲げたフラッグのサインの中にチョ・ヒョンオク(조현옥)さんの名前を見つけ、皆さんから歓声が上がりました。チョ・ヒョンオクさんは、ムン・ジェイン大統領によって、女性として初めて人事首席秘書官に任命された方で、この日、私たちは何度も彼女のことを話題にしていたのです。
皆さんも、ムン政権に大きな期待を寄せています。同時に、地域に根ざしたローカルな政治の重要性にも目を向けています。
チョ・ヒョンオクさんもローカルパーティの活動に関心を寄せてくれて交流を重ねたリーダーの一人です。新政権の中で、市民社会のリーダーとしての感性を発揮して欲しいです。
変化の早い韓国の政治情勢を羨ましくも思いますが、彼らに問われ、考え・言葉にするというプロセスの中で、あらためてローカルパーティの活動を意味付ける作業ができたように思います。
これからを考える力ももらえました。地域の政治を大事にしたい。