win-winの関係で進める就労訓練事業
3月3日、横浜市就労訓練事業支援センターの事業報告会が開催されました。私も認定訓練事業NPO親子サポートネットのメンバーとして参加しました。
就労訓練事業は、生活困窮者自立支援法に基づいて就労の機会を提供する事業です。横浜市就労訓練事業支援センターは、働きたい人と事業所や企業をつなぐ中間組織で、横浜市からの委託を受けて特定非営利活動法人ユースポート横濱が運営しています。
就労訓練を受け入れる認定事業所は全国で781(2016年12月末)、神奈川県内では49(横浜市31、相模原市15、神奈川県域3)という状況です。横浜市での訓練実施件数は16件で、報告会ではそのすべてについて共有しました。認定事業所には更生施設や救護施設も複数あり、受け入れ事例もこれらの事業所の事例が多くありました。介護保険事業所の事例では、本人の希望と受け入れ側の見込みの違いがあるなどマッチングの難しさも伺えました。そもそも、31事業所の中から、職種や事業所の所在地などを考慮しマッチングするのはなかなか難しい事だと思われます。認定事業所が増えれば、働きたいという潜在的なニーズが可視化されはずです。
ピッピでは、昨年11月から訓練を受け入れ清掃を担当してもらっています。仕事の切り出しやマニュアル作りといったプロセスを通じ、私たちの仕事を見直す機会にもなりました。また、受け入れた方の丁寧な仕事にスタッフからは感謝の声が聞かれ、ご本人からもやりがいを感じているとの報告を聞き、受け入れている側も励まされます。法人としては、ワークシェアリングやパーセントワーク(短時間勤務制度)、複数事業所での働き合いなど、多様な働き方を可能にする試みを実践したり、独自に地域の若者の就労体験の受け入れも行ってきましたが、今回、訓練事業所となり就労訓練事業支援センターや区といった外部機関と繋がり、さらに、他事業所の取組みも共有する機会も得られました。事業所としても、支援センターが事業所開拓に取り組み、ケースカンファレンスもコーディネートする横浜型の訓練事業の意義を感じています。何れにしても、働きたいというニーズに応えるためには、認定訓練事業所をさらに拡大していく事が必要であり、今後、そのあたりの課題も掘り下げていきたいと思います。