院内集会「原発の事故処理・賠償費用・廃炉費用 誰がどのように負担するか」
9月以降、原発の廃炉費用や福島第一原発事故の事故処理・賠償費用の一部を託送料金の仕組みを利用して回収できるようにする議論が進められてきました。「福島原発の事故が発生するまで、東京電力は経営判断で安全対策をやってこなかったが、消費者だってコストの安い電力を使えてきたんだから、この際過去に遡って負担してもらいます」というロジックで論じられている託送料金上乗せ案。
14日には、院内集会が開催され、パワーシフトキャンペーンが呼びかけた原発コスト転嫁の前に責任の明確化と政策見直しを求める賛同署名を提出、原発ゼロの会の国会議員や専門家、環境団体によるエネ庁ヒアリングも行われました。
久しぶりに衆議院議員河野太郎さんの歯切れの良い話も聞きました。
河野氏の話は、「事故の責任を誰が負うのか?」というストレートな問いかけから始まりましたが、その答えはやはり「一義的には東京電力が負う、これははっきりしている。負えない責任は国が変わって負う。本来は、まず、経営者、株主、金融機関が責任を負い、そのあと国。そうすれば消費者の負担が軽くなる。」という本筋論でした。託送料金上乗せ案についても、過去の経営責任を国民に押し付けることに他ならないと厳しい指摘がありました。
託送料金上乗せを認める見返りとして、大手電力会社のベースロード電源に対する新電力のアクセスを確保するという提案も、再エネで頑張っている新電力やそういう電力会社を選択している人にとっては負担だけが増える困った話。これについても河野氏は「すでに電力卸売市場(JEPX)が存在している。全日型はベースロード電源と同じようなもの。大手電力が売り惜しみしているから活性化していない。まず競争を担保させることが大事。エネ庁と大手電力会社のやっていることは電力自由化を大きく妨げる」と厳しいコメントが続きました。
上昇を続ける原発の事故処理・賠償費用・廃炉費用について、エネ庁の小川室長は「前例がない。具体的根拠を持ったもので示せていないが、具体的金額がわからないことを理由に何も対応できないというわけにはいかない」と釈明されていましたが、負担額については合理的見積もりを持って示して欲しいと思います。国会のチェック機能も効かない託送料金上乗せ案が出てくるあたりに問題が集約され現れていますが、最終的には国民負担となるとしても、徹底した情報公開とオープンな議論、決めるときは国会でというプロセスが大事だと思います。