横浜ユニット連絡会〜現場の視点で意見交換〜

 横浜ユニット連絡会主催のフォーラムが開催されました。介護保険制度の見直しにより、横浜市では2016年1月から地域支援事業「介護予防・日常生活支援総合事業」(総合事業)が始まります。フォラームでは、介護保険制度の改定の影響や、総合事業のあり方などについて福祉現場からの報告を受け、鏡論さんのアドバイスもいただき意見交換を行いました。

 デイサービスや居宅支援事業は、今度の報酬引き下げの影響を受け、厳しい運営を強いられていますが、働き方の見直しや経費削減を進めながら、地域の要望に応え独自のサロン事業や家事援助、配食サービスなど生活援助サービスを展開されていることが報告されました。
 移動サービスやサロンなど独自に取り組まれている事業について、総合事業への位置づけに期待する意見も聞かれました。が、忘れてならないのは、このたびの介護保険制度の改定は、介護予防給付費 4,500 億円と地域支援事業費の1,700 億円を縮減することから始まったということ。給付の対象から外れ地域支援事業に移行することになる要支援者については、ボランティア などが行う地域福祉活動で代替できまうよねという流れです。基準を緩和したサロン的デイサービスや外出支援もやれますよとしています。このように、総花的に語られる地域支援事業ですが、地域支援事業の予算には上限も設定されており、そのパイは限られてます。何でもかんでも介護保険事業会計の中に放り込むやり方や、補助金に期待させ地域支援事業への懸念をかわすようなやり方は、決して良策とは言えないのではないでしょうか。

 ケアマネさんからは、掃除や買い物といった家事援助やデイサービス、配食サービスにによって何とか生活が成り立っている要支援者のご様子も報告されました。自治体は、介護給付で訪問介護と通所介護を利用 されている方の実態をどの程度把握しているのでしょうか。保険給付と地域支援事業(市町村事業)ではサービスを受ける側の権利が全く異なります。その気になれば市町村の横だしサービス「市町村特別給付」を実施することも可能です。

 保険料や利用料といった費用負担も増大しています。また、保険料を納めている人のうちサービスを使っているのは1割という構造。「財政がひっ迫しているので制度を変えます」だけでは市民も事業者も納得できないと思います。 制度改正のメリットがあるのであれば具体的に示されるべきです。地域支援事業がどのように提供されるのかまだまだ不透明な部分も多くありますが、課題の整理を進め横浜市への提言をまとめていきたいと思います。