地域子育て支援から多文化の地域子育て支援へ〜NPO法人さくらんぼ総会報告〜
NPO法人さくらんぼの総会でした。
地域な多様な人の働き場が必要だとの思いでNPO事業を展開して19年になるさくらんぼですが、ここ数年、法人事業の中でも、子育て層の二層化が進んでいることを感じることが多いそうです。経済的な面はもちろんですが、様々な情報量や子どもへの関心、関与の度合い、SOSを出せる人間関係の有無といったことも同様に二層化しているという現場の指摘もありました。
日々起きる子育て期の困難は保育園だけで解決することは難しく、さくらんぼでも個別サポートも含めた多機能型の事業を展開し、横浜市が各区に設置している地域子育て支援拠点の運営も行っています。利用者が法人職員となる事例もあり、地域で生活している職員が多いのも法人の強み。ちなみに、58人の常勤職員のうち19人がシングルマザーという状況です。
さくらんぼが活動している瀬谷区は、隣接する大和市に「難民事業本部定住促進センター」があったことから、外国にルーツを持つ方々が県営住宅を中心に生活されている地域でもあります。こういった地域性に対応し、多言語の拠点紹介パンフレットを作成したこともあり、外国にルーツのある親子の拠点利用が進む中で、子育て支援の領域の中で外国にルーツのある親子に対するサポートが抜け落ちていることに気付かされたそうです。
昨年度、外国にルーツを持つ親子と支援団体のヒアリング調査を実施され、地域の子育てNPOや、学識者、子育て当事者などと意見交換を重ね、多言語子育て情報発信プロジェクトとして報告、提言がなされています。こうした、地域子育て支援から多文化の地域子育て支援へと次のステージをめざす姿勢に共感を覚えます。
私は、子どもをめぐる政策・制度が大きく見直される時期に、法人監事としてさくらんぼに関わらせていただき現場に触れる機会もいただいてきました。これからも、NPOである意味が見える事業の展開に期待し、現場に学びともに活動していきます。