田奈高校で「ぴっかりカフェ」を体験
5月21日木曜日。神奈川県立田奈高校に伺い「ぴっかりカフェ」も体験させていただきました。
田奈高校は、支援を必要としている生徒に対して、個別的に、早期に段階的に支援する支援教育に軸足をおいた「クリエイティブスクール」で、30人以下学級、小集団の授業が行われています。また、教育相談コーディネーターを配置、組織的な補習や学習相談を行うとともに、職場見学やインターシッップへの参加など体験重視のキャリア教育も実施されています。
しかし、学校に寄せられる求人には事務職はほとんどなく、求人の質も劣化している厳しい状況もあり、中野校長からは、教育の力だけで支えることは厳しい、生徒やその家庭が抱える経済的な問題や、社会的・経済的自立に向けた支援が一番の課題というお話も伺いました。
さて、毎週木曜日は、ぴっかりカフェがオープンする日。「ぴっかりカフェ」は、学校で最も日の当たる場所にある図書館で、毎週木曜日のお昼休みと放課後にオープンする校内カフェです。お昼休みになると、生徒たちが集まって来て、お弁当を食べたり、おしゃべりしたり、本を手に取ったりと自由に過ごしています。
カフェを運営しているNPO法人パノラマの石井正宏さんは、カウンター越しに、生徒たちに飲み物やクッキーを渡しながらコミュニケーション。昨日は、卒業生のボランティアさんとともに、いろいろな大人がなんとなく一緒に過ごす時間でした。
私も生徒さんから「仕事は何?」と話しかけられ、「この間まで議員をしていたんだ」と答えてみると「どんな仕事?、どうしてやろうと思ったの?やってみてなんか変わった?」と矢継ぎ早の質問を受けることに。彼は、手挽きミルでコーヒー豆を挽いてくれたのですが、石井さんは、こうしたことも大事な文化的経験だと話されました。かくして私は美味しい味しコーヒーをいただきました。
校内カフェの取り組みは、 教育的有給職業体験プログラム「バイターン」につながっています。地域の企業や、横浜市こども青少年局の協力により生徒の受け入れが進んでいます。市立保育園での保育士インターシップ・アルバイトで国家資格受験資格取得をめざすプログラムは大変有効に機能しているようです。私も、地域のNPOの現場と、どんな繋がりを持てるだろうかとさまざま構想しながらお話を伺いました。
昨年閣議決定された「子供の貧困対策に関する大綱」には「学校を子供の貧困対策のプラットフォーム」と位置付ける考え方が示されています。その青写真がこんなに身近にあります。10年、20年先を見越し政策合意を作って行く必要性を強く感じた大事な体験でした。