生活困窮者自立支援法をどう活かすか

 神奈川ネット30周年企画講演会「生活困窮者自立支援法をどう活かすか」を開催しました。生活困窮者自立支援法とは生活保護受給に至らないまでも、厳しい生活状況にある人々を相談事業や就労支援事業を通して支える仕組みとなるもので生活保護というセーフティネットに頼りがちな人を引き受けていくものです。

 日本型雇用制度の終焉
この20年間、大学進学率は約2割増加し55%近くになっていますが、卒業後非正規雇用となる者が24%、初職非正規で30代前半に結婚している者の割合は3割にとどまります。衝撃を呼んだ「消滅可能性自治体」の報告には、高齢化よりも現役世代、特に女性の生活困難が地域の持続困難に繋がるとの指摘があります。

ワンストップ支援
 宮本さんからは、顕在化する現役世代の困難な状況を伺うとともに、自治体の福祉部門の就労支援の枠を越え、雇用部局がイニシアティブをとり連携することが重要であるとの指摘もありました。また、困窮者支援に留まらず、高齢者・障がい者などそれぞれの施策で模索される「ワンストップ支援」をつなぎ真の包括支援へとつくり変えていく必要性についても提言されました。

 2015年には、生活困窮者自立支援法に加えて、介護保険制度の改定、子ども子育て支援新制度もスタートします。まさに、地方自治にとって大きな年転換点となります。これからも、共に暮らし・働く実践を地域に多様に展開し、未来につなぐ働き暮らしを提案していきます。