あゆみ会作業所のチャレンジに学ぶ

 神奈川ネット障がい児・者就労支援ワーキングチーム で、   NPO法人あゆみ会が運営するあゆみ会作業所(障害者就労継続支援B型・木更津市)を視察し、 友田久子理事長のお話を伺いました。

  あゆみ作業所は、知的障がい者、精神障がい者、身体障がい者を受け入れ、現在、18才から72才の約20人の利用があります。2008年の創業以来、ペットボトルのキャップ分別作業を推進し、現在は1日2トンの分別が可能となっているそうです。2010年からは、木更津市クリーンセンター(ゴミ収集、焼却場)から使用済携帯電話他、廃棄家電買取開始し、レアメタルの取出し作業により収益を伸ばしておられます。
 
 あゆみ会は、かつて、パンやケーキ、弁当の製造販売を試みた時期もあり、当時の取組みについては、「製品としての精度が求められるとどうしても職員リードする作業になってしまっていた、出来ないことをやらせてしまった」と振り返られました。それよりも、出来る事をやるというスタンスで分解と分別に取組み、他のリサイクル事業者と対等なフィールドで勝負することを選択されました。
 友田さんは、「作業の達成感を味わうことが出来てやりがいを感じられる方が良いに決まっている、就職が困難であっても仕事はできる人がいる、無理に会社に勤めなくてもしっかり仕事をこなすという選択もある」とも話されました。それぞれの人に適した「働く」を模索され続けた友田さんのお話を伺い考えさせられました。
 
 最近は、高齢者の機能訓練として、ペットボトルのキャップ分別作業に協力される福祉事業所もあるそうです。近隣の特別支援学校からパソコンが持ち込まれるといった事例もあったそうです。このように、行政への働きかけはもちろんの事、WIN-WINの関係を築き民間企業や他の福祉事業者とも連携し、常に工賃アップ、収益増加に向けた努力が重ねられています。

 神奈川においては、昨年1月より、「かながわモデル」第1号として伊勢原市で使用済み小型家電のリサイクルが始まり、(市が回収、福祉作業所に無償譲渡)横須賀市、藤沢市、愛川町、小田原市(試行)などでも福祉事業所と連携した小型家電リサイクルが始まっています。障害者優先調達推進法も整備された今、工賃アップにつながる取組みを後押しできるよう、もっとダイナミックな動きを作っていくことは可能です。
引き続き、先進事例の成果や課題を把握し制度提案に取組みます。