常任委員会報告『官民連携で進める若者就業支援〜県の役割について考える〜』
神奈川県は、若年未就職者・非正規労働者の正規雇用化を目的として、㈱パソナとの連携・協働事業「パソナフレッシュキャリア社員制度」により、県内の若者や若者の就業先となる企業の開拓を推進するとし、5月21日、パソナと連携協定を締結しました。この取組みについて常任委員会で取り上げました。
協定に基づき、パソナは若年者に対する基礎研修およびカウンセリング、中小企業への紹介予定派遣の業務を担います。若者は、パソナの契約社員として(更新により最長2年間)中小企業に派遣され、OJT(企業などでの社員の教育・訓練)行うことになります。
インターネットなどで公開されている「パソナフレッシュキャリア社員制度」の概要を見ると、就業場所として、パートナー企業またはパソナおよびパソナグループとされていますが、民間企業の取組みであり派遣先企業は詳細には把握されていません。一般的には、派遣労働者が正社員となることはそんなに簡単ではないという見方もありますが、これまでの実績として7300人がプログラムに参加し8割の人が正規雇用に繋がったとの答弁もありました。
要は、㈱パソナにとっても、派遣先の企業にとっても、さらには、若者にとってもWIN-WINの関係であれば良いと思います。取組みの効果が明らかになれば、同様のスキームで若者の就業支援に取組む企業も現れる可能性もあるのではないでしょうか。
県と㈱パソナとの業務連携に関する協定書にも、『「パソナフレッシュキャリア社員制度」の実施に関すること、その他付随する業務を効果的に実施するため定期的に協議を行うものとする』とする条項もあります。
民間主体の事業であっても、業務連携協定を交わして推進するのであれば、県としても、どんな企業に若者が派遣されるのかも含めた事業の実施状況や事業効果を把握できる仕組みが必要であり、㈱パソナとの協議を重ねてほしいと委員会でも提言しました。
官民連携で進める事業のメリットは理解しますが、その取組みを見える化し検証を行い、必要なルールづくりを行う必要はあると思います。今後もこの事業に注目していきたいと思います。