脱原発社会の創造 脱原発フォーラム開催報告


脱原発社会を創造するために多くの市民が集い、考え、行動するため「脱原発フォーラム」が開催されました。東日本大震災による原発災害からの復興に向けた取組みや、原発立地自治体の地域経済について現状と課題を共有しました。

原発事故と暮らし(食・生活)をテーマとしたセッションでは、福島県における農地の除染対策や水産物の放射誠意物質調査、試験操業など、原発災害からの復興に向けての具体的な取組みを伺いました。また、原発災害によって地域に様々な分断が生じている困難さも伺いました。消費者と生産者が分断され政府や東京電力への不信がそのまま生産者を直撃している実態の深刻さとともに、農漁業の再生ために、「自然の人間の関係」、「食を通した人間の関係」を取り戻す必要性も提起されました。
 
一昨年の全国大会で、活動方針に「将来的な脱原発」を掲げたJAの全中副会長でJA広島中央会の会長の村上光雄さんからは、原子力発電は安全なクリーンエネルギーではないという再認識にもと、地域のエネルギー資源を見直し再生可能エネルギーの利活用を進めることが報告されました。
中国地方では、小水力発電が集中して建設され、50年にわたり稼動し続けています。
昭和20年代には、農山漁村の未点灯世帯が20万世帯、電力不足に至ってはその数倍と推定され、当初は行政主導で発電所が建設されました。その後、農協、土地改良区、森林組合、漁協などを事業主体とした「導入促進法」(1052年)を契機として、地元電力会社の(*1)協力も得て、中国山地の中山間地にも小水力発電所の建設が急速に進んだそうです。今後設備更新をすすめ固定買取制度の適用を受け、収益性の向上もめざすとのことでした。
 
その他のセッションでも、エネルギーシフトに向けて、市民や地方議会の実践や、研究者、技術者、NGOが参加する原子力市民委員会によって策定された脱原子力政策大綱も共有し、今後の公論形成のスタートとすることを確認しました。
 
*1:連携式発電  発電所近くまで引いて売電し配電経費を圧縮する