子ども・子育て支援新制度と放課後児童クラブについての勉強会

神奈川県の学童保育を支える議員連盟による、子ども・子育て支援新制度と放課後児童クラブについての勉強会が開催されました。「子ども・子育て関連3法」は、地域の実情に応じた子ども・子育て支援の充実を図るとし、放課後児童健全育成事業もその一つに位置づけられています。

放課児童クラブは1997年の児童福祉法の改正により法的に位置付けられ、2007年にはガイドラインおよび国庫補助基準が示されました。現在、全国に21,482カ所、登録児童数は889,205人となり、1998年と比較し、クラブ数は22倍、登録児童数は2,6倍となり、待機児童数も8,689人となっています。(社会保障審議会児童部会 放課後児童クラブの基準に関する専門委員会報告書より)
2014年度には、自治体ごとに実施したニーズ調査を取りまとめ事業計画を策定するとともに、保育の必要性の認定基準や放課後児童クラブの指導員の資格・員数、面積・定員等設備・運営等について、厚生労働省令に基づき基準条例を制定することになります。国の専門委員会では、各地で多様に展開されてきた放課後児童クラブの基準の設定にあたって、全体の質の底上げを図りつつも、一定の経過措置等の検討が必要であることや、様々な経験を持った地域の人材が関わることにも意義があるなどの意見がまとめられています。

社会保障審議会児童部会 放課後児童クラブの基準に関する専門委員で、県の子ども・子育て会議の委員でもある尾木まりさんの講演では、子どもを中心に据えた新制度の基本や、検討のポイント、質の確保に向けた取組みの重要性など解りやすくお話いただきました。指導員(事業に従事する者)の確保と質の向上に向けた取組みは県の役割とされており、尾木さんも、県の子ども・子育て会議において、保育者、放課後児童指導員など様々な事業の従事者を対象とした研修が必要であり、県の役割は非常に大きいと指摘されているところです。

県内自治体の市議、町議、放課後児童クラブに関わる皆さんからは、児童が急増する地域での大規模クラブの分割における指導員の配置のあり方や、夏休みの児童の受け入れや、障がい児の受け入れの課題などが出されました。

横浜市においては、市域内でも多様な地域性がありますが、放課後児童クラブの整備にあたっては、比較的家賃が高くスペースの確保が困難、分割や移転も容易ではなく老朽化対策も進まないといった課題があります。いわゆる学童保育施策の他、「放課後キッズクラブ」「はまっ子ふれあいスクール」(放課後子ども教室)も実施しています。施策によって保護者の負担は異なり、税の投入にあたってもどのように整合性を図っていくのかという課題があります。
いずれにしても、保護者の働き方や地域の特性等に応じた柔軟な施策を展開し、全ての子どもを視野に入な事業が実施していけるよう、ニーズ調査のまとめも踏まえて、政策提案に取組みたいと思います。
それそれの地域性も伺え、また、ローカルルールの課題に気付くこともあり、超党派の議員が自治体の枠組みを超えて参加し学ぶ機会を持てたことは意義深いことです。