〜小規模保育の今、これから〜
2日に開催された全国小規模保育協議会主催のシンポジウムに参加しました。
シンポジウムの冒頭、まず、内閣府の長田浩志参事官から小規模保育事業の制度的な位置づけを伺い、小規模保育協議会の駒崎弘樹代表、友沢ゆみ子理事からは、小規模保育の特性や期待される事業の効果など伺いました。
小規模保育は、2015年4月に本格施行が予定されている「子ども・子育て支援新制度」において、新たに地域型保育の一類型として位置づけられており、すでに、小規模保育のモデルとなる法人委託型の家庭的保育(保育ママを複数化し、事業者がマネジメントする)も実施されています。(東京都区内で27カ所、横浜市で36カ所で実施)
現場の報告からは、特別なケアが必要な子どもや発達に遅れのある子どもたちにもきめ細かな保育が提供されている事例や、保護者とのコミュニケーションも促進されるといった小規模保育ならではの手厚い保育の実践を伺いました。施設整備にかかる初期設備投資も少額であり、空き家等多様な地域資源を活用できることもメリットの一つです。また、小規模保育の現場は、地域の潜在保育士が復帰する職場として選択肢の一つになっているようです。
小規模保育は、最も待機児童の多い0〜2歳を対象としており、ニーズエリアを絞りピンポイントで展開することが可能です。撤退戦略も描けることから、都市部での待機児童対策として、また、保育所等の定員源が見込まれる人口減少地域でも活用できる事業としても注目され、2014年度からは、「待機児童解消加速化プラン」の事業として先行的に実施されることになっています。今後確定する公定価格や、3歳以上児の受け入れに向けた自治体の仲介のあり方や、保育者の研修システムのあり方についても、引き続き注視していきたいと思います。
国も地方も「子ども・子育て会議」においては、待機児童対策や認定子ども園や保育所・幼稚園のあり方が議論の中心になりがちです。しかし、「子育て支援」という視点も必要であり、あらためて一時預かり事業の重要性や、そのまちにあった子ども子育て支援計画を多様なメニューでつくっていく必要性も確認できました。
今度のシンポジウムには、東京、神奈川、埼玉、千葉などの自治体議員や政策担当職員が参加した他、関西、九州地方の職員や事業者の参加もあり関心の高さが伺えました。「自治体と議会が、明日からすべきこと」という駒崎さんのプレゼンを受けて行ったワークショップでは、こうした多様な立場の方々と意見交換する貴重な機会も得て大いに刺激をいただいた一日となりました。