「かながわDV被害者支援プラン」を検証 常任委員会報告

神奈川県では、DV防止法に基づき、2002年に配偶者暴力相談支援センターを開設、また、「かながわDV被害者支援プラン」も策定し、市町村や民間団体と協力・連携してDV被害者の相談や自立の支援などに取りんできました。6月議会には、2009年度から2013年度の5年間を計画期間とするかながわDV被害者支援プランの改訂について報告があり、私も質疑を行いました。

プランの改訂にあたって、DV相談件数が年々増加傾向にあることや、被害者を一時保護する際に同伴される子どもへの支援が不十分であるといった課題も報告されています。現在県の2カ所の相談支援センターには合わせて11人の職員が配置され、昨年度も約6000件の相談に対応しています。男性からの相談も増加傾向にあり、早急な相談体制の充実・強化が求められます。
昨年度の一時保護件数は265件ですが、このうち162件(約6割)が子どもを同伴しています。県は、この間、民間団体と連携、住民生活に光をそそぐ交付金子を活用し、母親と一緒に避難してきた子どもたちの学習支援にも取組み、交付金事業が終了となった今年度も県の独自財源で事業を継続しています。さまざまな課題を抱えた子どもたちへの保育・学習支援の重要性を踏まえ、今後も積極的に取組むことを求めました。

DV支援事業の評価は難しい部分もありますが、相談件数の増加は、DVについての認識や相談窓口の周知が進み、潜在化していた事例が顕在化した結果でもあります。さらに、相談者や保護された人たちの意識の変化や、どの程度自立につながったかといったことも提示できれば、事業の効果もより明確になります。この5年間の取組をあらためて検証し、課題を整理して充実した新たなプランが策定されることを期待します。