「待機児童ゼロ」と横浜方式
今年4月1日時点の横浜市の待機児童がゼロとなったことが発表されました。(平成25年4月1日現在の保育所待機児童数について)
保留児童数、および、保留児童のうち横浜保育室や家庭的保育事業、一時保育・預かりなど、認可保育所以外の事業で受け入れた子どもの数や、待機児童数の入所選考基準別の状況 、定員割れの状況 、待機児童のカウント方法についても丁寧に説明されています。これだけの数字を公表している自治体はなかなかないと思います。
川崎市に続いて『保留児童数』も含めた数字の公表を始めたのが2010年。公表に踏み切るまで時間はかかりましたが、以降、年々公表されるデータは豊富になりました。同じく2010年から始まった『横浜市保育所入所保留児童実態調査』の実施も含めて重要な取組みです。横浜市のデータ公表については、議会の働きかけも大きく、2009年当時、私も横浜市会、こども青少年局常任委員で、随分、時間をかけて議論しました。
実は、 神奈川県は、未だに保留児童数も公表できていません。そもそも、そういった数字を把握することの必要性がなかなか伝わらないのが残念ですが、 引き続き提案します。
横浜方式として、株式会社の参入の効果に注目が集まっています。私もその事自体は否定しませんが、単純に認可保育所を増やすだけでなく、ソフト面の取り組みとして、多様なサービスとそれを適切に選択できる仕組みを作ってきた成果こそ伝えてほしいところです。人口減少や多様化するライフスタイル、そして市の財政負担を考えても認可保育所を作り続けることには限界があります。
認可保育所整備量をぐっと絞り込む今年度以降に横浜の独自性が見えてくるのではないかと思いますが、安倍首相が掲げる待機児童解消加速化プランでもクローズアップされている小規模保育事業のモデルともなる横浜市のNPO委託型家庭的保育事業など、これまでの多様な事業への取組み、その真価が発揮されることを期待します。