NPO委託型家庭的保育事業
先日、青葉区内で3カ所目となるNPO委託型家庭的保育事業がスタートしました。この4月に、他区でもあらたに8カ所のNPO委託型家庭的事業が開所し、市内の施設数は合わせて37カ所となりました。(NPO委託型家庭的保育事業は、事業を運営するNPOが保育者を雇用し一般の住宅やマンション等家庭的な環境を行う小規模保育で3歳未満の児童を対象としています。)
家庭的保育事業は、自治体が独自に取組んできた歴史があり、保育ママ、家庭保育福祉員等と呼ばれる保育者1人が、自宅等で3人までの子どもを預かる(補助者を付ける場合は5人まで)形で実施されてきました。また、この間、ひとつの建物で複数の家庭保育福祉員がそれぞれの独立性を担保しながら保育を行う「グループ型家庭的保育」に取組む自治体も増えています。
待機児童の解消が大命題になっている中、家庭的保育については認可保育所をバックアップするものという考え方や、保育の量的拡大にはつながらないという評価も聞かれます。しかし、小規模・家庭的という乳幼児にとって望ましい保育環境を備えた家庭的保育事業について、あらためて「認可保育所を補完する」という位置づけではなく、保育の質という側面からもきちんと評価されるべきです。待機児童のうち、0~2歳の低年齢児が全体の約 8割を占めています。すでに、4・5歳児の定員割れを生じている認可保育所もあります。小規模保育施設であれば、まちの有り様が変化した際にも、ニーズに応じて戦略を見直せるというメリットもあります。
2017年にスタートする子ども・子育て支援新制度では 、これらの事業が地域型保育給付費の対象となる事業として家庭的保育事業(利用定員5人以下)と、小規模保育事業(利用定員6人以上19人以下)に整理されますが、横浜市や都内で展開されているNPO委託型家庭的保育は小規模保育のモデルでもあります。私はこの間、新制度を見据え神奈川県もグループ型家庭的保育から一歩進めて、NPO委託型家庭的保育事業を推進すべきと提案してきました。県では、新制度の施行に向けて、認可外保育施設である認定保育施設のあり方も検討されており、あらためて小規模保育のモデルづくりをすすめるべきです。
*先日ご紹介した横浜市の「調査季報」(横浜の子育て支援・172号・横浜市政策局)でもNPO委託型家庭的事業を推進してきた横浜市の取組みが取り上げられています。私も共感を持って読ませていただきました。 今後も横浜市の取組みに注目しています。