「減らす・つくる・代える」エネルギーシフトの道筋
NPO法人足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ(足温ネット)の山崎求博さんを迎え、ポスト3・11のエネルギー政策の動向や、減らす=省エネルギーの推進、つくる=再生可能エネルギーの導入、代える=非電気エネルギーへの転換といった、エネルギーシフトのポイントについてお話いただきました。
足温ネットは、省エネ家電(冷蔵庫)の買い替えに最大10万円を無利子融資するという省エネ家電買い替えサポート事業に取組まれて来ましたが、この事業の実績から節電量を試算すると1件あたりの平均節電量は年間600kwhとほぼ半減しているという興味深いデータも示されました。省エネ融資を通じて節電できる電力量と太陽光発電の年間発電量600kwhの設備投資コストを比較すると、省エネ事業は2.5倍の効果があるそうです。
オフィスや店舗などの省エネ改修に対する低利融資制度やリース料の助成(利子補給)制度、住民に対しての省エネ行動ポイント制度、あるいは、自治体庁舎内の省エネ改修に市民版PFIを導入するなど、自治体として取組める政策・制度についても意見交換させていただきました。
その他、中国地方でJAが取組む小水力発電事業や、地域で組合を立ち上げ、太陽光発電に住民の出資を募り、配当する福島おひさま連合の立ち上げなどさまざま電力事業も紹介されました。山崎さんも、ドイツのエネルギー協同組合にも注目され、今後、地域でエネルギー企業組合の設立を模索されたいとのことでした。あらためて、市民事業の可能性を感じました。また、新たな経済や雇用を生み出すためにも、エネルギーをめぐる個々の技術や工夫を生かす法制度が必要とされていることも確認できました。