皆さんご存知の通り、神奈川では黒岩知事が被災地の瓦礫を受け入れると宣言したものの、地域の反対に合いひとまず当初の受け入れ案を引っ込めた状況です。
一方で、瓦礫の受け入れに向けて準備はしておこうと県と横浜、川崎、相模原の3つの政令市が集まって検討を続けています。検討会の記録を取り寄せてみたところ、2月以降は、「民間の産廃業者を活用することの可能性」も検討されています。
3月6日に更新された県のHPでも、1月に開催された黒岩知事との「対話の広場」の「質問と回答」が掲載されており、「申込受付時にいただいた御質問とアンケートでいただいた御質問の中から、当日御説明できなかった質問をピックアップしました。」とあり、民間事業者についても以下の記述があります。
Q 民間の産業廃棄物処理業者も検討すべきではないか
⇒将来的には、民間事業者を含めた処理体制を充実強化させることが必要と考えています。
3月8日からは、産廃事業者の活用の検討に当り、横須賀市も技術検討会のメンバーに加わりました。野田首相も11日の会見で民間企業への協力拡大を要請する方針を明らかにしています。そこで、産廃事業者が県内で処理を行う場合の具体的な手続について、特別委員会の質疑などで確認してみました。
震災がれきは自治体のごみと同じ一般廃棄物という扱いで、通常、産廃事業者が一般廃棄物を処理する際には、「一般廃棄物を扱いますよ」という業としての「許可」を受けることや、30日前までに「産廃施設で一般廃棄物を燃やしますよ」という施設についての「届出」をしまます。横浜の事業者は横浜市とそういう手続きを行います。政令市以外の業者は県と行います。その一方で、被災県と受け入れ自治体間で事前協議を行うことが必要となります。
ただ、被災県から委託を受ける場合、業の許可はいらないし、施設の届出についても、30日前までにしなさいという条件もありません。十分な事前協議ができないのではと不安を漏らす市、制度的にはどんどん進められるとしても、そんな事にはならないという県。ちょっと対照的でした。
放射能対策についても、瓦礫の受け入れ自治体が廃棄物の放射性濃度についての独自基準を策定しても、被災県と契約した産廃事業者については、こういった基準も強制力はないし、測定データなどの公表義務もありませんが、県の担当課によると、あらかじめ仕様書で約束しておけばば大丈夫とのこと。やはり協議は重要です。
災害瓦礫を産廃施設で焼却する際には、通常の産業廃棄物と混合焼却するので、焼却灰は「混合廃棄物」と呼ぶべきものらしいです。知事は、廃棄物の区分を取り払うことを主張されています。この混合廃棄物のイメージなんでしょうか。
産廃事業者を活用することについては、あくまでも市町村処理を補完する形で民間産廃事業者の活用も検討しているとのことです。なので、突然、民間処理が始まることはないと思って良いようです。想定できてるというか、シミュレーションがしっかりできているんですね。いずれにしても、一度、これまでの検討状況を県民に報告していただくのが良いと思います。
私は、民間の産廃事業者を活用する場合も、莫大な税金をかけて神奈川で処理するより現地の仕事にできる方が望ましいと思います。被災地の事業者の「国庫補助の条件を見直す事で、処理が加速されるのに」とのご意見も聞かれます。最少のコストで最大の効果が得られるよう、税金使ってほしいです。