一般会計は、1兆7,730億円(前年度当初予算99,3%)、特別会計、企業会計を合わせた全会計は2兆8,131億という予算規模となりました。
知事が掲げる神奈川スマートエネルギー構想の推進等エネルギー政策のプロジェクトに24億円、津波など災害対策プロジェクトに258億円が計上されたほか、重点的な取組みとして医療、福祉施策、産業創出・育成施策などがあげられています。
歳入のうち予算額の56,1%を占める県税は、9952億3100万円で、ほぼ横ばいですが、県税の構成比を見ると、2008年度時点で個人37,4% 、法人29.9%であったものが、新年度予算案では個人43,3%、法人18,7%となり、2007年度予算案で個人税と法人税のバランスが逆転して以来その流れは加速しています。
県債新規発行額は2987億6500万円と前年当初予算103,9%となり、2012年度末の県債残高は3兆5355億円500万円、県民1人当たりに換算すると39万221円となります。また、新規県債の発行額の8割を占める2,430億円の臨時財政対策債を計上しています。臨時財政対策債は、地方交付税の代替措置とされており、知事は会見でも、国に借金を背負わせれている状態であり今後国に対策を求めるとしていますが、地方負担分を明確にする目的で始まった臨時財政対策債の財源対策的性格を考えれば、当然、自治体の姿勢も問われます。歳出削減と歳入確保の取組みを具体化する緊急財政対策本部での議論が急がれます。
歳出を見ると、義務的経費が81,2%と自由度のない財政運営を強いられています。内訳は、教育費が構成比33.8%の5,992億7600万円、民生費が3290億5500万円、公債費が2192億5000万円と続いています。人件費の抑制について、知事は、予算の3割を占める教育分野において、教育のクオリティを高めつつ経費の縮減を検討されたい意向も示されています。今後の議論を注視していきます。
私が所属する厚生常任委員会では、医療のグランドデザインにもとづく取組み、児童自立支援拠点の整備、周産期医療対策や小児救急医療対策、子育て・保育施策と、重点的な取組みにあげられた事業について議論することになります。今後も、引き続き、2012年度予算に関連し個別の施策についてレポートしていきます。