9日、横浜市は、放射性物質を含む汚泥・焼却灰についての安全性が確保されたとして、南本牧廃棄物最終処分場で埋め立て処分にすることを発表しています。海面処分場に放射能を含む汚泥を受け入れることは想定外の事態であり、あらためて処分場の現況を見せていただきました。
現在、埋立てが行われている第2ブロック(面積約21ha)は、海底の土丹層(透水性が低いそう)まで届く矢板によって外水(海)と遮断されており、一日に約1300〜1500㎥の廃棄物が持ち込まれています。同時に、増加した容積分の内水をポンプで汲み上げ、隣接する排水処理施設で重金属、カルシウムなどを除去し浄化された水を海に排出するしくみになっています。浄化の過程で当然「汚泥」も発生しますが、この汚泥は再び内水に戻されます。最終処分場しか廃棄するところは無いので、汚泥はぐるぐる循環しているようです。
安全評価検討書では、処分場内の内水による被ばくの評価シナリオとして、処分場の排水処理施設からの余水の放出により、海産物や海水、海面で作業をされる方の被ばく評価が行われています。評価の基となるデータは、これまでの横浜市の観測値や処分の状況から設定したとのこと。溶出試験により放射性物質の溶出率は極めて低いと判断したとのことですが、1時間の溶出実験のデータであり、海水中、しかも長期に渡る影響についてほとんど知見がないことも認められていました。
気になったのは安全評価書でシミュレーションされていた操業中の事故等の評価シナリオ「輸送中の事故や津波などによる内水の直接放出」という事態です。東日本大震災で、東海地震発生時に想定していた津波の高さ約1メートルを超える、高さ1.6メートルの津波が観測されたことを受け、先頃横浜市は、元禄地震(1703年)レベルの高さ2.1メートルの津波を想定した津波避難ガイドラインをあらたに策定、公表しました。
南本牧廃棄物最終処分場の設計・建設時に想定していた地震の規模について伺ったところ確認が必要とのこと。地震規模の想定が変わっているとしたら、耐震設計の基本的な考え方や想定潮位の見直しも必要なのでは?確認いただき回答頂きたいと思います。
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