青葉トークサロン 鈴木伸さんを迎えて

グループホーム「ポケット」の運営から見えること

 グループホーム「ポケット」の運営委員長、鈴木伸さんを迎え、ネット・青葉トークサロンを開催しました。ポケットは、横浜市独自のA型グループ ホームで、当事者の方たちも運営に関わり、16年の活動を続けられています。

 当事者の方たちと丁寧な意見交換を行い、また、日々のサポート活動を進めるなかで、鈴木さんがたどりついた「自立支援」とは、「彼が、彼女が、何をしたいかを考えること。それが自立を支援すること。」とのこと。
 グループホームを立ち上げた当初、「パチンコに行く利用者さんの車椅子を押すことに抵抗がある」というスタッフの声に驚いたというエピソードも伺いました。子育て支援に関わる人からも、レスパイトの利用は制限すべき、あるいは、利用料に差をつけるべきという意見を聞くことがあり、支援を進める上で、共通の壁も感じました。

 横浜市では国費を投入した法人運営型(B型)グループホームへの転換を進めており、A型ホームの今後については、運営形態や組織のあり方を見直すことを迫られています。財政的に見れば、国費の活用を進める方向性は理解しますが、現場からより遠いところで作られる制度をコントロールしていく難しさもあります。
 高齢者福祉施策でも、市が独自に取り組んでいた食事サービスが、介護保険制度に組み込まれ、使いづらい制度となり利用が激減するという事例があります。
 分権の議論で言われてきたように、裁量権が高い形で自治体に税財源の移譲を可能にする地域主権改革に期待したいところです。
 
 鈴木さんは、女性と政治を考える会の活動や、あざみ野にオープ ンした市民活動スペース「ナナ」の運営にも関わられており、幅広い市民活動を伺いました。