今定例会に市長から提案された改正案では、飼い主などの責務として、実質的に猫に飼い主と同一視される者に対し、周辺環境に配慮し排せつ物などの処理を行うよう求めていました。
私は3日の本会議でも質疑を行い、市長に対して「飼い主と同一視されるもの」という定義について具体的に説明を求めたところ、「飼い主が不明な猫に対して、餌やりや食べ残しや排泄物の処理など、実質的に飼い主と類似した行為を行っている人のこと」と答弁されました。また、「外で餌やりする方にモラルを求めたものである」との答弁もありました。
しかし、「飼い主と同一視されるもの」との条文は、所有権にかかわることであり、そこに法的な義務や責任が発生するという非常に法律に踏み込んだ内容です。民法718条第1項には、『動物の占有者は、その動物が他人に与えた損害を賠償する責任を負う』と明確に書かれています。また、猫にはもともと繋留義務をうたう法がないため、飼い主不明猫なのか外出している飼い猫なのかの判断もつかず、所有権を特定することはできません。神奈川県も「所有者がいない猫」と、「所有者はいるが、その所有者が分からない猫」の区別が困難との見解を示していますし、外にいる猫は所有者の確認、判別ができないというのが、多くの自治体の考え方です。
今回、多くの市民の皆さんからも、問題の条文に対し、ボランティアの公益性のある野良猫不妊手術とその後の管理を阻害するものである、法的に問題があるといったご意見、ご提言をたくさんいただきました。まずは、会派を超えた修正提案となり、条文から、「実質的に猫に飼い主と同一視される者」という文言を削除しましたことをご報告いたします。